Slightly Baroque

タイトル スライトリー・バロック (Slightly Baroque)
編成 The Anita Kerr Singers
レーベル/番号 WARNER BROS., W-1665 (モノラル)
Slightly Baroqueのジャケット表 Slightly BaroqueのA面のレーベル

1966年、ワーナー・ブラザース(WARNER BROS.)からリリースされたLPレコード『スライトリー・バロック(Slightly Baroque)』を紹介いたします。


アニタ・カー(Anita Kerr)は、65年に南東部のナッシュビルから西海岸のロサンゼルスに居を移し、ワーナー・ブラザースと契約します。最初にリリースしたアルバムは、オーケストラによるインストゥルメンタル主体の『And Now...The Anita Kerr Orchestra¡』(W/WS-1640)。「The Anita Kerr Singers」名義のコーラス主役のLPレコードは本盤がワーナー初となります。


実は、アニタ・カーの外盤で『ランブリング・ローズ(Living Voices Sing "Ramblin' Rose" and Other Hits)』(RCA CAMDEN,CAS-748)の次に手に入れたのが本アルバムでした。ランブリング・ローズの軽妙な華やかさから一転、厳かで重厚なコーラスにびっくりさせられました。『Slightly Baroque』は、直訳すると「バロックを少し」というような意味でしょうか?


チェンバロをフィーチャーするなど、少しどころか真正バロックという趣ですが、往年のポピュラーソングを、彼女の巧みなアレンジで気品あるバロックに仕立て上げています。



ジャケットの録音データ ジャケットのプログラム

ジャケット裏に掲載されている、制作クレジットと曲目です。『(A1) モナリザ(Mona Lisa)』『(B3) Answer My Love』は、ナット・キング・コール(Nat King Cole)の大ヒット曲。『(A2) My Prayer』は、プラターズ(The Platters)。『(A3) よくあることさ(It's Not Unusual)』は、トム・ジョーンズ(Tom Jones)。『(A5) マイ・ラヴ(My Love)』は、ペトゥラ・クラーク(Petula Clark)。


『(B1) ワン・ノート・サンバ(One Note Samba)』『(B2) ハウ・インセンシティヴ(How Insensitive)』は、アントニオ・カルロス・ジョビン(Antonio Carlos Jobim)によるボサノヴァの名曲。


『(B4) Cast Your Fate To The Wind』は、ジャズ・ピアニストのビンス・ガラルディ(Vince Guaraldi)が、1963年にグラミー賞の最優秀オリジナル・ジャズ作曲賞(Grammy Award for Best Original Jazz Composition)を受賞した曲。『(B5) If Ever I Would Leave You』は、ミュージカル映画『キャメロット(Camelot)』の挿入歌で、数多くの歌手にカヴァーされています。


コーラスの構成は、ソプラノのアニタ・カー、アルトがベティ―・ジェーン・ベーカー(Betty Jane Baker)、テナーがジーン・マルリーノ(Gene Marlino)、ベースがボブ・ティーボウ(Bob Tebow)。アニタ・カー・シンガーズのロサンゼルス・バージョン、初のオリジナル・アルバムになります。


ある人から「編曲は作曲より難しい」と聞いたことがあります。私には計り知れない世界ですが、本盤におけるアニタ・カーの超人的なアレンジを前にすると「そうかも知れない」という気になります。



[Tracklist]  Slightly Baroque

A1 Mona Lisa 2:56
A2 My Prayer 2:45
A3 It's Not Unusual 2:45
A4 Just Say Goodbye 3:15
A5 My Love 2:18
A6 Love At Last You Found Me 3:20
B1 One Note Samba 2:47
B2 How Insensitive 4:08
B3 Answer My Love 2:45
B4 Cast Your Fate To The Wind 2:17
B5 If Ever I Would Leave You 4:06
B6 Love Lies 2:17