Thank You, Lord

タイトル サンキュー・ロード(Thank You, Lord)
編成 The Anita Kerr Singers
レーベル/番号 WORD ,WSB-8811
Thank You, Lordのジャケット表 Thank You, LordのA面のレーベル

ヨーロッパ時代の1979年に、ワード・レコード(Word Records)からリリースされたLPレコード『サンキュー・ロード(Thank You, Lord)』を紹介します。


レコードに針を降ろしたときの第一印象は、「音圧が大きくクリア。良い意味でCDのような音」「曲が良く、極上のポップ・アルバム」。


ところが、あらためて聴き直してみると意外な発見だらけでした。

ジャケット裏のプログラム

曲名に「God」が頻出します。『教会へ行こう(Let's Go to Church)』という題名さえあります。アルバムタイトル『Thank You, Lord』の「ロード(Lord)」も「主、キリスト」のことで、クリスチャン・ミュージックのアルバムであることがわかります。


そして、4曲で共作ですが、全10曲がアニタ・カー(Anita Kerr)作曲であることにビックリ。ここでも彼女が超一流のメロディ・メーカーであることを証明しています。


アニタ・カーは、4歳からピアノを習いはじめ、9歳になるころには毎朝、教会のパイプオルガンを演奏したといいます。また、その頃に聖歌隊のコーラスのアレンジを始めるなど、彼女の音楽キャリアと教会は切っても切れない関係だったのです。


『ワード・レコード(Word Records)』自体、ウキペディア(Wikipedia)の説明で「Christian faith-based entertainment company」というのですから、布教を目的としたレーベルのようです。


これまで教会に足を踏み入れたのは、知り合いの結婚式の一度だけ。という私にこの世界のことはよくわかりませんが、クリスチャン・ミュージックという分野は、音楽ジャンルをこえて確固たる地位を占めています。「AORの部屋」で紹介するつもりですが、『メアリー・マクレガー(Mary MacGregor)』『エイミー・グラント(Amy Grant)』もその分野のポップシンガーです。このアルバムについても、第一印象のまま、極上のポップ・ミュージックという観点で、これからも付き合っていきたいと思います。



ジャケット裏の録音データ

彼女のヨーロッパ時代のアルバムですが、レコーディングは、ロサンゼルスの『ベル・サウンド・スタジオ(bell sound studios)』。『アニタ・カー・シンガーズ(The Anita Kerr Singers)』のクレジットですが、メンバーの名前は記載されていません。判明したらこのページで紹介したいと思います。


あえて私のお気に入りを挙げるなら、AOR調のアルバム・タイトル曲『Thank You, Lord』と、カントリー調の『God is All』の2曲。アルバム全体を通して、かなり説教臭い歌詞が続いていると思うのですが、英語の聴き取り能力がないおかげで、ポップアルバムとして違和感なく楽しめる。何が幸いするかわからない例のひとつでしょうか。




[Tracklist]  Thank You, Lord

A1 He is There 2:22
A2 The Son of God 3:59
A3 God is All 3:10
A4 I Call it God 3:04
A5 Give Thanks 2:35
B1 Thank You, Lord 3:27
B2 A Song for God to Hear 3:25
A3 A Letter to the Lord 3:27
A4 Let's Go to Church 2:38
A5 We Are the Children of God 4:01