John O'banion

タイトル ジョン・オバニオン (John O'banion)
アーティスト ジョン・オバニオン (John O'banion)
レーベル/番号 Elektra,6E-342
John O'banionのジャケット表 John O'banionのA面のレーベル

1981年にリリースされた、ジョン・オバニオン (John O'banion)のデビューアルバム『John O'banion』を紹介いたします。日本でもかなり売れたレコードで、全米24位を記録した『(A1) 僕のラブ・ソング(Love You Like I Never Loved Before)』がアルバムの邦題になっています。


バラード色の強い『(A2) 涙でもう一度(You're In My Life Again)』を合わせた2曲がヒットしたと記憶しています。日本では『You're In My Life Again』の方が多くの支持を得たのではないでしょうか、私もその曲目当てでこのLPレコードを購入しました。


彼が日本で愛されたことを物語るのが、薬師丸ひろ子主演、深作欣二監督で、83年に封切られた角川映画『里見八犬伝』の主題歌を歌ったことでもわかります。


彼の最大の特長は、その声にあると思います。恐ろしくハイ・キーで、ほとんどの曲でシャウトするのですが、しなやかさ、暖かさ、陰影があり耳障りなところがなく飽きさせません。声楽が詳しい知人に聴いてもらったところ「別次元の声。ファルセットでなく、地声でこれだけ出せるのは驚異」と評していました。その分「声帯への負担も半端でない」とも言っていました。



John O'banionのジャケット表 John O'banionのジャケット裏

左がジャケット表、右が裏の写真です。声の印象そのもの、陰影を含んだハンサムな顔立ちです。



ジャケット裏の録音データ1 ジャケット裏の録音データ2

ジャケット裏の録音データを拡大してみました。制作&編曲のジョーイ・カルボーン(Joey Carbone)とリッチー・ズィトー(Rchie Zito)。日本盤の会田幸之氏のライナーノーツによると、ジョン・オバニオンがデビューできたのは、この2人に見出されたからだとあります。


ウィキペディアによるとジョーイ・カルボーンは「ジョン・オバニオンをプロデュースしたことがきっかけで日本へ赴き、その時の縁で日本で映画『里見八犬伝』(1983年)でのサウンドトラック担当という仕事を得る。そして矢沢永吉やドゥービー・ブラザーズの日本ツアーにキーボーディストとして同行した」とあります。その後、日本での活動に重きを置くようになり、嵐、相川七瀬、稲垣潤一、SMAP、大西結花・・・などなど、J-POPに1000曲以上を提供する日本音楽界の一大コンポーザーになります。


ジョン・オバニオンは、1995年にカバーアルバム『Hearts』をリリースした以降、新譜のニュースが聞こえてきませんが、2007年に交通事故で他界していたことを最近知り悲しい気持ちになりました。『里見八犬伝』はじっくり聴いたことがなかったので、それを聴く楽しみが残されていることが、私にとってせめてもの慰めになっています。


[Tracklist]  

A1 Love You Like I Never Loved Before 3:23
A2 You're In My Life Again 3:09
A3 Love Is Blind 3:34
A4 Our Love Can Make It 3:12
A5 Love Is in Your Eyes 3:17
B1 Come to My Love 3:21
B2 Take A Chance On Love 3:18
B3 Walk Away Renee 2:30
B4 If You Love Me 3:36
B5 She's Not for You 4:00