Art Blakey & The Jazz Messengers
(BLUE NOTE, BST-4003) [改訂]

タイトル アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ(Art Blakey & The Jazz Messengers)
アーティスト アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ(Art Blakey & The Jazz Messengers)
レーベル/番号 BLUE NOTE, BST-4003
Moaninのジャケット表 MoaninのA面のレーベル
刻印RVG STEREO MoaninのA面の刻印RVG

オープニングの「モーニン(Moanin)」と言えば、草刈正雄がパーソナリティーを務めるNHK番組「美の壺」のオープニングテーマ曲として耳に馴染んでいる方が多いのではないでしょうか。初代のパーソナリティーはトロンボーン奏者でもあった故・谷啓氏。ベストマッチだったなあ…と回想するのは失礼ですね。今では草刈正雄も十分に馴染んでらっしゃいます。


題名の意味を、私はず~と「朝」のことだと勘違いしていましたが、それは「モーニング(Morning)」。こちらは「モーニン(Moanin)」で「不平」とか「愚痴」の意味。それで初めて、ジャケットのおっかない顔と、曲想と、題名が一致しました。


この盤を『Somethin' Else』に続いて紹介するのは、本盤はブルーノート(BLUE NOTE)輸入盤ですが、東芝のリバティー直輸入盤と共通点が多く、比較するのに良いサンプルと考えたからです。


ここでも、『ブルーノート・レコード オリジナル・プレッシング・ガイド』(以降、『オリジナル・プレッシング・ガイド』と表記)が規定するオリジナル要件と対比させながら見ていきます。


MoaninのA面の刻印RVG MoaninのB面の刻印RVG

一番大事なRVGの刻印です。左がA面、右がB面。いずれも「RVG STEREO」の刻印で、オリジナルと同じです。




A面のレコード番号 B面のレコード番号

かなり分かりづらいのですが、レコード番号はA面が「BN・ST・4003・A」、B面が「BN・ST・4003・B」。『Somethin' Else』と同じく手書きで、区切りが「-(ハイフン)」ではなく、「・(中黒)」でした。



A面の耳マーク B面の耳マーク

オリジナル盤であれば存在する、通称「耳マーク」と呼ばれる、プラスタイライト(Plastylite)社のシンボルマークがありました。左がA面、右がB面です。プラスタイライト社はレコードのプレスを請け負った会社で、メタル・マスターからスタンパーを作る間にPマークが刻印されたと考えられます。写真をよく見ると、Pマークは盛り上がって見えます。直前のスタンパー(オス側)に彫られたと思われます。



レーベルA面の住所 レーベルB面の住所

レーベルAB面とも住所表記は「BLUE NOTE RECORDS INC・NEW YORK USA」。オリジナルであれば、一世代前に使われた「BLUE NOTE RECORDS INC, 47 WEST 63rd NYC」。



レーベルA面は段差のみ レーベルB面のdb

オリジナルならばAB面とも「深溝(Deep Groove)」ありですが、右はレーベルB面で深溝ですが、左のA面は「段差(Ridge)」があるのみでした。



Moaninのレコード盤の玉縁

レコード盤端は、演奏面より丸く盛り上がる玉縁(ビーズ・リム)。オリジナルと同じですが、『オリジナル・プレッシング・ガイド』によると、全面同じ厚みの平縁(フラット・リム)は、1957年7月発売の『Lee Morgan,Vol3』(1557)を最後に姿を消しているので、判定材料にはなりません。



Moaninのジャケット表 Moaninのジャケット裏

左がジャケット表、右下にSTEREOの金シール。右がジャケット裏、右上のレコード番号が「Blue Note 4003」。モノラルのジャケットを流用してステレオを発売したもので、オリジナルと同じです。



ジャケット裏の住所

ジャケット裏の住所は「BLUE NOTE RECORDS INC, 47 West 63rd St., New York 23」でオリジナルと合致しています。



Moaninのジャケットの背文字

ジャケットは背文字ありで、オリジナルと同じです。オリジナルなら、ラミネート加工のジャケットですが、本盤では確認できませんでした。



インナースリーブ(内袋)で住所表記がある側 インナースリーブ(内袋)で住所表記がない側

前ページ『サムシン・エルス(Somethin' Else)』と同じインナースリーブ(内袋)に見えますが、『オリジナル・プレッシング・ガイド』によると、「27 YEARS BLUE NOTE」には2種類あり、違いを見分けるキー・ジャケットがあるといいます。それは、写真左、下に住所表記のある側を見て、矢印が示すジャケットです。本盤は、そこが「4187:Into Something -Larry Young」で、「1965年12月~66年7月」の期間、「4202~4226」のファースト・プレスで使われたものと特定できるそうです。



『オリジナル・プレッシング・ガイド』が定義するオリジナル盤との比較を以下にまとめました。


レコード盤のオリジナル度判定
オリジナル盤 所持盤 判定
略語 説明 略語 説明
RVGst RVG Stereo 刻印 RVGst RVG Stereo 刻印
P プラスタイライト(Plastylite)社のシンボルマーク(通称=耳マーク)あり P プラスタイライト(Plastylite)社のシンボルマーク(通称=耳マーク)あり
W63i 「BLUE NOTE RECORDS INC, 47 WEST 63rd NYC」 NYC 「BLUE NOTE RECORDS INC・NEW YORK USA」 ×
dg 両面に深溝(Deep-groove)あり dg -s2 B面のみ深溝(Deep-groove)
br 玉縁(beaded rim) br 玉縁(beaded rim)


ジャケットのオリジナル度判定
オリジナル盤 所持盤 判定
略語 説明 略語 説明
STs 前面に金色のステレオ・ステッカー STs 前面に金色のステレオ・ステッカー
W63 「BLUE NOTE RECORDS INC, 47 West 63rd St., New York 23」 W63 「BLUE NOTE RECORDS INC, 47 West 63rd St., New York 23」
ps 背文字あり ps 背文字あり
lam ラミネート加工 なし ラミネート加工ではない ×


本盤のファーストプレスは、1959年5月発売。インナースリーブ(内袋)から推定すると、67年頃にプレスされたと思われます。


レコード盤に「P(通称=耳マーク)」があることから、オリジナルのスタンパーが残っていてプレスしたものか、後日、再びプラスタイライト(Plastylite)社がプレスを請け負い、オリジナルのメタル・マスターからスタンパーを再作成してプレスしたものなのか、私には特定できませんが、このレベルになれば気にすることはないと思います。何故なら、暖かみがあって本当によい音なのですから。



[Tracklist]  Art Blakey & The Jazz Messengers

A1 Moanin' 9:30
A2 Are You Real 4:45
A3 Along Came Betty 6:05
B1 The Drum Thunder (Miniature) Suite 7:15
First Theme: Drum Thunder
Second Theme: Cry A Blue Tear
Third Theme: Harlem's Disciples
B2 Blues March 6:15
B3 Come Rain Or Come Shine 5:45


[参考文献]

・フレデリック・コーエン著、行方均監修/訳
『ブルーノート・レコード オリジナル・プレッシング・ガイド』(株式会社ディスクユニオン、2011)

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