At The FIve Spot Vol.1 ~ Eric Dolphy
(Prestige, New Jazz 8260)

タイトル アット・ザ・ファイブ・スポット 第1集 (At The FIve Spot Vol.1)
アーティスト エリック・ドルフィー (Eric Dolphy)
レーベル/番号 プレスティッジ(Prestige), New Jazz 8260
At The FIve Spot 1のジャケット表 At The FIve Spot 1のA面のレーベル
刻印RVG At The FIve Spot 1のA面の刻印RVG


私にしては何とも硬派なアルバムを手に入れたものだと思う。


都内の有名なジャズ喫茶の直販コーナーにこの盤はあった。普通であれば絶対に手が届かないはずだが、水没したのかジャケットのダメージがひどく、5千円で出ていた。それでも私には十分高価であったが、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)への好奇心から購入。


私は中味のレコード盤さえ良ければ、外装は気にしないタイプ。「ジャケ汚れ」「書き込み」「底抜け」「CUT盤」などの文字に敏感に反応してしまう、名盤が安く手に入る重要なキーワードだからだ。

また、シュリンク(Shrink:ジャケットを覆う保護フィルム)が嫌いで、あればすぐに剥がしてしまう。米盤につきもののシュリンクだが、高温多湿の日本に合わないよね、と心のなかで声をかけながら剥がしてやると、中のレコード盤が「フーッ」と息をついているような気がするのだが、私の勝手な思い込みであります。シュリンクを取ってしまうことについては、ジャズ仲間から否定的な意見が多いが、転売を目的としていないのだから、と自分を納得させている。


さて、本盤を詳しく語れるほど、私のJAZZスキルは高くない。私が気に入っているのは、会場の雰囲気と、奏者のリラックス。


さあ、ライブが始まるぞ、というワクワクするざわめき。軽い音合わせの後に始まる演奏。終わった後の奏者の会話と笑い声。あの、大笑いの主は誰?


演奏中の、ドルフィー、ブッカー・リトル(Booker Little)、マル・ウォルドロン(Mal Waldron)もリラックスしているように聞こえる。ドルフィーのアルバムを多くは聴いていないが、ドルフィーとリトルのかけ合いは、特別なものに聞こえる。バトルではなく、相手を信頼している感覚。


実は、最初は本盤をなるたけ大音量で、対峙して聴こうとした。それがJAZZを聴く基本と思い込んでいたから。しかし、最近では、音量を絞って、何かしながら聴くことが多い。小音量でも、このライブの臨場感は尋常でないことが分かる。特別なことが演じられている雰囲気が手軽に体感できる。


硬派のJAZZファンからは、邪道と非難されそうだが、極めつき軟派のドルフィー攻略法です。




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