Voices in Hi-Fi ~The Anita Kerr Quartet

タイトル Voices in Hi-Fi
編成 The Anita Kerr Quartet
レーベル/番号 DECCA ,DL-8647 (モノラル)
Voices in Hi-Fiのジャケット表 Voices in Hi-FiのA面のレーベル

1957年にデッカ(DECCA)からリリースされた、アニタ・カー(Anita Kerr)のデビュー・アルバム『Voices in Hi-Fi』を紹介いたします。


Voices in Hi-Fiのジャケット表 Voices in Hi-Fiのジャケット裏

左がジャケット表、右が裏の写真です。真ん中のスピーカー・ユニットをカルテットの4人が見つめるしゃれたデザイン。右上から時計回りにテナーのギル・ライト(Gil Wright)、ソプラノ&リードのアニタ・カー(Anita Kerr)、アルトのドティー・ディラード(Dottie Dillard)、ベース(バリトン)のルイ・ナンリー(Louis Nunley)。ナッシュビル時代を代表するカルテットです。


ライナーノーツに、デビュー・アルバムを出すきっかけとなった出来事が書かれています。

ジャケット裏のライナーノーツ

『アーサー・ゴドフリー・タレント・スカウト・ショー(Arthur Godfrey Talent Scout Show)』という新人発掘スカウト番組に出演し優勝したことでラジオ、テレビに数多く出演することになり世間に広く知られることになったとあります。


『アーサー・ゴドフリー・タレント・スカウト・ショー』は大変人気のあったCBSの番組で、1946年にラジオ番組としてスタート。48年からテレビでも放送が開始。58年まで続きました。オンエアは月曜日の午後8時30分~9時のゴールデンタイム。1951~52年に堂々の視聴率1位に輝いています。そのシーズンの3位が同じCBS制作の『アイ・ラブ・ルーシー(I Love Lucy)』。アニタ・カーが出演した1956~57年でも12位を確保。同シーズンの1位は横綱となった『アイ・ラブ・ルーシー』でした。


人気を博した56年からは、ブレンダ・リー(Brenda Lee)、ペリー・コモ(Perry Como)、パット・ブーン(Pat Boone)、ローズマリー・クルーニー(Rosemary Clooney)、ロイ・オービソン(Roy Orbison)、ウィリー・ネルソン(Willie Nelson)、ジム・リーヴス(Jim Reeves)等、数々のトップスターのレコーディングにアレンジャー、アニタ・カー・シンガーズ(Anita Kerr Singers)のコーラスで参加。多いときには週に12から18ものセッションをかけもち、多くの編曲も手がけ時間に追われ、あまり幸せでなかったと公式サイトで綴っています。彼女は、65年にロサンゼルスに移りますが、こういった生活をいったんリセットしたいという気持ちが働いたことは確かだと思います。


本盤の内容は、リクエストの多いスタンダード曲を、テレビショーらしく、ミュージカル仕立て華やかにアレンジしています。後続のアルバムにも何度か取り上げられる曲、アレンジが多く、彼女のルーツが凝縮されている楽しいアルバムです。



[Tracklist]  Voices in Hi-Fi

A1 People Will Say We're in Love
A2 You're My Everything
A3 Rockin' Chair
A4 Mama's Gone, Goodbye
A5 Once in a While
A6 You and the Night and the Music
B1 Somebody Stole My Gal
B2 I'll Never be the Same
B3 Be Fair
B4 With the Wind and the Rain in Your Hair
B5 Comes Love
B6 For You