タイトル | フロム・ナッシュビル ザ・ヒット・サウンド (From Nashville... The Hit Sound) |
編成 | The Anita Kerr Singers |
レーベル/番号 | RCA VICTOR, LSP-2480 |
RCAビクター(RCA Victor)から1962年にリリースされたLPレコード『フロム・ナッシュビル ザ・ヒット・サウンド(From Nashville... The Hit Sound)』を紹介いたします。
前年(61年)、RCA CAMDEN(カムデン)レーベルから『リヴィング・ボイス・シング・アイリッシュ・ソングス(Living Voices Sing Irish Songs)』をリリースしていますが、「The Anita Kerr Singers」名義としてはRCAで最初のオリジナルアルバムになります。
カントリーの一大ジャンルである、ナッシュビル・サウンド創始者のひとりで大御所のチェット・アトキンス(Chet Atkins)プロデュースであることが大きくクレジットされています。レコーディング・エンジニアのビル・ポーター(Bill Porter)も創始者仲間です。
アニタ・カー・シンガーズのメンバー紹介はありませんが、ソプラノ&リードがアニタ・カー(Anita Kerr)、アルトのドティー・ディラード(Dottie Dillard)、テナーのギル・ライト(Gil Wright)、ベースのルイ・ナンリー(Louis Nunley)。ナッシュビル時代を代表するカルテットに間違いないと思います。
『(A1) ヘイ・ジョー(Hey Joe)』は、53年にカール・スミス(Carl Smith)が歌い、カントリー部門で全米1位に輝いた曲。66年にジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)が同名異曲のデビュー・シングル『Hey Joe』をリリースして出世作となりましたが、カール・スミスの曲から発想を得たといいます。ジミ・ヘンドリックスからさかのぼること5年。アルバム冒頭にこの曲を据えたセンスに拍手したくなります。
『(A2) My Last Date (With You) 』は、カントリー界の歌姫、スキータ・デイヴィス(Skeeter Davis)が60年にリリースした曲なので本盤レコーディング当時は新曲といえます。スキータ・デイヴィスの最大のヒットは63年の『この世の果てまで(The End of the World) 』。彼女のレコードもチェット・アトキンスがプロデュースしています。
『(A3) Singing The Blues』は、56年のマーティ・ロビンス(Marty Robbins)の曲。『(A5) You Don't Know Me』は、ジャズ・ボーカルでよく取り上げれられますが、女性カントリーシンガーのシンディ・ウォーカー(Cindy Walker)作。本盤のなかで、日本で一番知られているといえば『(B3) バイ・バイ・ラヴ(Bye, Bye Love)』でしょうか。57年のエヴァリー・ブラザース(The Everly Brothers)の曲ですが、サイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)、ジョージ・ハリスン(George Harrison)など、数多くのミュージシャンにカヴァーされています。
左は、ジャケット裏右上に掲載されているレコード番号です。ステレオ(LPM)/モノラル(LSP)の両方でリリースされています。手に入れたのはステレオの方です。
インナースリーブ(内袋)の写真です。レコード盤のレーベル同様に、RCAのトレードマークである犬のニッパー (Nipper)君がデザインされています。
ユーチューブなどで原曲を聴くと、テンポ、メロディー実に多彩なナッシュビルサウンドが、美しいコーラスの映えるアニタ・カー・サウンドに見事に統一されています。
A1 | Hey Joe | 2:31 |
A2 | My Last Date (With You) | 2:44 |
A3 | Singing The Blues | 2:18 |
A4 | The Old Master Painter | 2:44 |
A5 | You Don't Know Me | 2:25 |
A6 | Near Me | 2:21 |
B1 | Night Train To Memphis | 2:00 |
B2 | I'll Hold You In My Heart | 2:15 |
B3 | Bye, Bye Love | 2:34 |
B4 | Four Walls | 2:45 |
B5 | Oh Lonesome Me | 2:30 |
B6 | Half As Much | 2:22 |