タイトル | ウィー・ディッグ・マンシーニ(We Dig Mancini) |
編成 | The Anita Kerr Quartet |
レーベル/番号 | RCA VICTOR, LPM-3428(モノラル) |
ヘンリー・マンシーニ(Henry Mancini)の曲を取り上げた、1965年のLPレコード『ウィー・ディッグ・マンシーニ(We Dig Mancini)』を紹介いたします。
ノミネート72回、受賞20回という空前のグラミー賞(Grammy Award)男、マンシーニを取り上げたことが功を奏したのか、アニタ・カー(Anita Kerr)は本アルバムで1966年に初のグラミー賞『最優秀パフォーマンス賞ヴォーカル・グループ部門(Best Performance by a Vocal Group)』に輝いています。本賞は1961~68年の間に制定されたカテゴリーで、前年65年の受賞はビートルズ(The Beatles)の『ア・ハード・デイズ・ナイト(A Hard Day's Night)』。この年もビートルズの『ヘルプ!(Help!)』らのノミネートを抑えての栄冠となりました。
そして、翌67年はシングル盤『男と女(A Man and a Woman)』で、ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)らを抑えて同賞を連覇しています。76年にアルバム『Gentle as Morning』(WORD)で、『最優秀インスピレーショナル・パフォーマンス賞(Best Inspirational Performance)』にノミネートされましたが、残念ながら受賞は逃しています。
本盤は、65年5月2日と3日にロンドンの「IBCレコーディングスタジオ (IBC Recording Studios)」で録音。制作がチェット・アトキンス(Chet Atkins)。ジャケットの写真は左からテナーのギル・ライト(Gil Wright)、ソプラノ&リードのアニタ・カー(Anita Kerr)、アルトのドティー・ディラード(Dottie Dillard)、ベース(バリトン)のルイ・ナンリー(Louis Nunley)。ナッシュビルの盟友たちによる傑作です。
レコーディングの年に、彼女はロサンゼルス(Los Angeles)に移りますが、本盤は新天地での飛躍を約束させた記念碑的なアルバムと言えます。
上はジャケット裏、右上の写真です。モノラル/ステレオ両方のレコード番号が表示されています。ちなみに本盤はモノラル録音(LPM-3428)です、RCAビクター(RCA VICTOR)と、ロサンゼルスに移って契約したワーナー・ブラザース(WARNER BROS.)からリリースされた彼女のLPレコードは、モノラル/ステレオ両方でリリースされるという豪華なラインナップになっています。
インナースリーブ(内袋)の写真です。ハリー・ベラフォンテ(Harry Belafonte)の『カーネギー・ホール・コンサート(At Carnegie Hall)』、『サウンド・オブ・ミュージック(The Sound of Music)』のオリジナル・サウンドトラック、ポール・アンカ(Paul Anka)のベスト盤などが紹介されいます。
肝心な内容ですが、オーケストラを配した豪華な編曲で、直後のロサンゼルス移籍を暗示するような楽曲が続きます。アルバム全体の印象を一言で表すなら「おしゃれ」でしょうか、それがグラミー賞獲得を後押しした最大の要因だと思います。
1963年に公開されたオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)主演のサスペンス映画『シャレード(Charade)』の主題歌。同じヘプバーン主演で61年公開の『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany’s)』の主題歌『ムーン・リバー(Moon River)』。おなじみ擬音だけで歌う『ピンク・パンサーのテーマ(The Pink Panther Theme)』。ジャズのスタンダードとしても定番の『酒とバラの日々(Days Of Wine And Roses)』。まさに「おしゃれ」。
A1 | Baby Elephant Walk | 2:35 |
A2 | Charade | 3:20 |
A3 | Mr. Lucky | 2:55 |
A4 | Bye-Bye | 2:45 |
A5 | Days Of Wine And Roses | 2:38 |
A6 | Dreamsville | 2:40 |
B1 | How Soon | 2:17 |
B2 | The Pink Panther Theme | 2:51 |
B3 | Dear Heart | 3:10 |
B4 | Too Little Time | 2:50 |
B5 | Moon River | 2:50 |
B6 | The Sweetheart Tree | 2:25 |