タイトル | ベルベット・ボイス・アンド・ボールド・ブラス (Velvet Voices and Bold Brass) |
編成 | The Anita Kerr Singers |
レーベル/番号 | DOT, DLP-25951 |
アニタ・カー(Anita Kerr)は、1969年にドット・レコード(Dot Records)と契約。同年発売のLPレコード『ベルベット・ボイス・アンド・ボールド・ブラス(Velvet Voices and Bold Brass)』を紹介いたします。
ジャケット表は、「Bold Brass」のホルンをデフォルメした美しいデザイン。裏は「Velvet Voices」のアニタ・カー・シンガーズ(The Anita Kerr Singers)。
ジャケット裏に、ロサンゼルスのラジオ局「KMPC」のDJであるジョニー・マグヌス(Johnny Magnus)から、左にアニタ・カーへの賛辞、右に聴取者への推薦文が寄せられています。珍しい編集と思い掲載させていただきました。制作&編曲&指揮はアニタ・カー。アシスタント・プロデューサーとして、夫であるアレックス・グロブ(Alex Grob)の名前があります。アレックス・グロブは、このあたりから制作に参加するようになったようです。
アニタ・カー・シンガーズの構成は、左からテナーのジーン・マルリーノ(Gene Marlino)、ソプラノ&ソロのアニタ・カー、アルトのジャッキー・ワード(Jackie Ward)、ベースのボブ・ティーボウ(Bob Tebow)のカルテット構成です。
取り上げている曲もさまざまで、興味深い内容になっています。フランク・シナトラ(Frank Sinatra)の『(A4) マイ・ウェイ(My Way)』。ビートルズ(The Beatles)の『(B2) オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ(Ob-La-Di, Ob-La-Da)』はポップス、ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)の『(B1) ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド(God Bless The Child)』はジャズのスタンダード。独特な魅惑的メロディーで冒頭を飾る『(A1) You've Made Me So Very Happy』は、女性シンガー・ソング・ライターのブレンダ・ハロウェイ(Brenda Holloway)が67年にリリース。69年にジャズ・ロックバンドのブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ(Blood, Sweat & Tears)がカヴァーし全米2位になっています。
『(A2) You And I』は、1969年の映画『チップス先生さようなら(Goodbye, Mr.Chips)』で、キャサリン役のペトゥラ・クラーク (Petula Clark)が歌った曲。『(A6) ラレーニャ(Lalena)』は、ドノヴァン(Donovan)68年の曲。『(B4) グッドバイ(Goodbye)』は、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)作で、ポールがプロデュースしたメリー・ホプキン(Mary Hopkin)のシングル第2弾として69年にリリースされ、全英2位を記録しています。千差万別な個性あふれる曲を、魔法の編曲でアニタ・カー・サウンドに統一してしまう。その力量に脱帽です。
A1 | You've Made Me So Very Happy | 3:17 |
A2 | You And I | 2:05 |
A3 | When The World Was Young | 4:00 |
A4 | My Way | 3:46 |
A5 | Happy Heart | 2:59 |
A6 | Lalena | 2:07 |
B1 | God Bless The Child | 5:30 |
B2 | Ob-La-Di, Ob-La-Da | 2:22 |
B3 | The Windmills Of Your Mind | 2:45 |
B4 | Goodbye | 3:17 |
B5 | Suppose | 2:51 |