タイトル | デイタイム・ナイトタイム (Daytime Nighttime) |
編成 | The Anita Kerr Singers |
レーベル/番号 | PHILIPS, 6830 093 |
ヨーロッパ時代の1972年に、フィリップス・レコード(Philips Records)からリリースされたアルバム『デイタイム・ナイトタイム(Daytime Nighttime)』を紹介いたします。
ジャケットの写真です。音楽の内容ともに大変美しいLPレコードです。マフラーを首に巻いて直立するアニタ・カー(Anita Kerr)のカッコいいポートレイトなど、他のアルバムでは見られません。気合が入っています。私にとっても、彼女のアルバムのなかで5本の指に入る名盤と思っています。
ロック・スターの有名な曲を、美しいコーラスとアレンジで聴かせます。『(A1) 僕の歌は君の歌(Your Song)』はエルトン・ジョン(Elton John)。『(A3) 明日に架ける橋(Bridge Over Troubled Water)』『(B2) ミセス・ロビンソン(Mrs. Robinson)』はサイモン&ガーファンクル。
『(A4) If Not For You』は、ボブ・ディラン(Bob Dylan)。『(B1) 君のともだち(You've Got A Friend)』は、キャロル・キング(Carole King)。『(A5) スーパースター(Superstar)』は、カーペンターズ(Carpenters)で大ヒット。そして、『(B3) イエスタデイ(Yesterday)』は、ビートルズ(The Beatles)。
アニタ・カーは、サイモン&ガーファンクルに大変影響を受けたらしく、70年に『Simon and Garfunkel Songbook』(Philips)というトリビューン・アルバムもリリースしています。
個人的にはB面の流れが大好きです。冒頭『(B1) You've Got A Friend』は、カッコいいドラミングのユニークなエンディング。一転して『(B2) Mrs. Robinson』はオーソドックスなアレンジ。ロックの名曲のなかに『(B5) アメイジング・グレイス(Amazing Grace)』の讃美歌が違和感なく入り、ビッグネームとは言えませんが、英国のソングライター、ゲイリー・オズボーン(Gary Osborne)とリチャード・カー(Richard Kerr)共作の『(B6) デイタイム・ナイトタイム(Daytime, Nighttime)』をアルバムタイトルとエンディングに持ってくる。メリハリの効いた編集が見事です。
録音、制作等のクレジットはジャケットに見当たらず、レコード盤のレーベルに表記されています。レーベルは白地で「P」のシールが貼ってあることから「Promotion Only(見本盤)」のようです。
レコーディング・エンジニアは、クリーム(Cream)のセッション・レコーディングなどを手がけ、イギリスを中心に活躍したジョン・ティンパーリ(John Timperley)。制作はアニタ・カーと、彼女の夫でもあるアレックス・グロブ(Alex Grob)。アレックス・グロブは、彼女の良き理解者でマネージャーも兼ねています。その献身的なバックアップにたいして、公式HPでも深い感謝を述べています。
音楽活動をスタートさせたナッシュビル時代と比較して、夫の母国であるスイスに移り住んでからの彼女のアルバムには、時間と心の余裕のようなものが感じられ、安心して聴いていられます。
A1 | Your Song | 4:40 |
A2 | It's Impossible | 3:00 |
A3 | Bridge Over Troubled Water | 3:49 |
A4 | If Not For You | 3:03 |
A5 | Superstar | 3:34 |
A6 | Everybody's Talking | 2:50 |
B1 | You've Got A Friend | 4:15 |
B2 | Mrs. Robinson | 3:15 |
B3 | Yesterday | 2:22 |
B4 | Sunny | 3:36 |
B5 | Amazing Grace | 3:16 |
B6 | Daytime, Nighttime | 4:06 |