タイトル | リヴィング・ボイス・シング・アイリッシュ・ソングス (Living Voices Sing Irish Songs) |
編曲&指揮 | アニタ・カー (Anita Kerr) |
レーベル/番号 | RCA CAMDEN, CAL-665 (モノラル) |
RCA CAMDEN(カムデン)から1961年にリリースされた『リヴィング・ボイス・シング・アイリッシュ・ソングス(Living Voices Sing Irish Songs)』を紹介いたします。すでに『ランブリング・ローズ(Living Voices Sing "Ramblin' Rose" and Other Hits)』を取り上げていますが、本盤も同じ「Living Voices」という企画物の1枚です。
RCA CAMDENで、アニタ・カー(Anita Kerr)が編曲&指揮を手がけた「Living Voices」は11枚あります。そのなかで『Living Voices Sing Irish Songs』は記念すべき第1作になります。
本アルバムのテーマは、タイトルにあるように「アイルランド音楽(Irish Song)」です。カントリー・ミュージックのメッカであるナッシュビル録音。カントリー・ミュージックの起源のひとつと言われているアイルランド音楽をシリーズの最初に取り上げたことに意味深いものを感じます。
本盤収録のなかで、一番有名な曲といえば『(A5) ダニー・ボーイ(Danny Boy)』でしょう。美しい旋律のアイルランド民謡『ロンドンデリーの歌(Londonderry Air)』には、これまで100曲以上の異なる歌詞がつけられており、『ダニー・ボーイ』はそのなかの1曲ということです。
子守唄の『(B4) Too-Ra-Loo-Ra-Loo-Ral (That's An Irish Lullaby)』、ダンス曲『(A3) マクナマラズ・バンド(MacNamara's Band)』『(B3) It's The Same Old Shillelagh』など、ポピュラー音楽のルーツを思わせる楽曲が並びます。『マクナマラズ・バンド』は、富岡正男氏の作詞・編曲で『ガチャガチャバンド』という題名で1965年にNHK「みんなのうた」で紹介されました。
彼女の公式HPを参照すると「Living Voices」の編成は「The Anita Kerr Singers +4」とあります。ナッシュビル時代の代表メンバー、ソプラノ&リードのアニタ・カー(Anita Kerr)、アルトのドティー・ディラード(Dottie Dillard)、テナーのギル・ライト(Gil Wright)、ベース(バリトン)のルイ・ナンリー(Louis Nunley)の4人が中心で、最大8人によるコーラス編成と考えられます。
ジャケットの写真です。青い海に面し石垣で囲まれたアイルランドの農村風景が描かれています。
左はジャケット裏のレコード番号です。「Living Voices」はモノラル/ステレオ両方で発売されるのが普通ですが、本アルバムはモノラルでしかリリースされていないようです。
61年当時はステレオのリリースはまだなのかと思いきや、同じジャケット裏にレコードリストが掲載されていて、「Living Strings series」は「CAL(モノラル)/CAS(ステレオ)」の両方でリリースされています。
翌62年発売の、アニタ・カーの「Living Voices」2作目からは、ステレオでもリリースされています。
ジャケット裏に掲載されているライナーノーツです。右下に、制作はチェット・アトキンス(Chet Atkins)のクレジットがあります。彼はグラミー賞の生涯功労賞も受賞しているギタリストで、アニタ・カーの数多くのアルバム制作に関わっています。
広く長く愛されているアイルランド音楽を、アニタ・カーの編曲&指揮と、Anita Kerr Singersの美しいコーラスで楽しめるのですから、私にとっても特別なアルバムになっています。
A1 | A Little Bit Of Heaven (Shure They Called It Ireland) | |
A2 | The Rose Of Tralee | |
A3 | MacNamara's Band | |
A4 | Mother Machree | |
A5 | Danny Boy | |
B1 | Galway Bay | |
B2 | My Wild Irish Rose | |
B3 | It's The Same Old Shillelagh | |
B4 | Too-Ra-Loo-Ra-Loo-Ral (That's An Irish Lullaby) | |
B5 | When Irish Eyes Are Smiling |