タイトル | アメリカ(America) |
アーティスト | アメリカ(America) |
レーベル/番号 | Warner Bros. Records, BS 2576 |
1971年にリリースされた、アメリカ(America)のデビューアルバム『アメリカ(America)』を紹介いたします。以前、通算12枚目のアルバム『パースペクティブ(Perspective)』を取り上げました。後で確認すると『パースペクティブ』が、LPレコードによる最後のリリースで、以降のアルバムはCDでしか聴けないことを知り、いまさらながら少し悲しくなりました。
ジャケット表裏、レーベルのAB面を並べています。本アルバムは最初に1971年12月にイギリスで発売されました。本盤はレーベルに「Made in U.S.A」とあるので、翌72年3月以降に、アメリカでリリースされたものです。実は、私がこの盤を手に入れたのは21世紀に入ってからのことで、もちろん中古市場においてです。
レコード盤内周の刻印をマトリックス番号と呼ぶそうですが、A面は手書きで「T1 BS-2576 39997-RE-1-2」、対角180度の位置にスタンプで「B」が打たれ、横に手書きで「N」と思われる文字が確認できます。B面は手書き「T1 BS-2576 39998-2-1」、同様に対角にスタンプ「C」、横に手書きの「N」。これが解読できれば、何度目のリマスター、カッティング、何番目のスタンパーか分かるのですが、残念ながら私にそのスキルはありません。いずれにせよ、再発盤であることに間違いないと思います。
ジャケット裏のポートレイトです。左から、デューイ・バネル(Dewey Bunnell)、ダン・ピーク(Dan Peek)、ジェリー・ベックリー(Gerry Beckley)。
1960年代半ば、父親がロンドン近郊の米空軍基地に駐屯していた関係で、3人はロンドン中央高校に通い、別なバンドで演奏しているうちに出会ったそうです。高校卒業後にバンド結成。アメリカンサウンドを志向しているイギリスのミュージシャンだと誰にも思われたくない、というエスプリ効いた理由でアメリカと名付けたそうです。
ジャケット裏の曲目と制作クレジットです。全てメンバ自作曲で、バネルが6曲、ベックリー、ピークが3曲ずつ。ハイライトは、日本でのアルバムタイトルにもなっている、バネル作『(A5) 名前のない馬(A Horse With No Name)』。ビルボード、キャッシュボックス両方のシングルチャートで全米1位。勢いに乗って本アルバムも全米1位を記録。
アメリカの特長は3人の個性のぶつかり合いにあると思います。バネルのニール・ヤング風とも評される渋く乾いた声。ベックリーのハートウォーミングなボーカル。バラード好きな私は、『金色の髪の少女(Sister Golden Hair)』『ひなぎくのジェーン(Disy Jane)』など、ベックリーの楽曲で聴き始めたのですが、年を経るにつれて、バネルの良さが体に染み込んでくるようになりました。ダン・ピークについて、私の妄想ですが、メロディーから受ける曲想はベックリー、根底に流れる精神性はバネル。今後、機会あれば大好きなピークのソロアルバムも紹介したいと考えています。
A1 | 川のほとりで(Riverside) (Written by : Bunnell) |
3:02 |
A2 | サンドマン(Sandman) (Written by : Bunnell) |
5:03 |
A3 | 3本のバラ(Three Roses) (Written by : Bunnell) |
3:54 |
A4 | 子供たち(Children) (Written by : Bunnell) |
3:07 |
A5 | 名前のない馬(A Horse With No Name) (Written by : Bunnell) |
4:10 |
A6 | ここに(Here) (Written by : Beckley) |
5:30 |
B1 | 僕には君が必要(I Need You) (Written by : Beckley) |
3:04 |
B2 | 雨の日(Rainy Day) (Written by : Peek) |
3:00 |
B3 | 失われた時を探して(Never Found The Time) (Written by : Peek) |
3:50 |
B4 | クローリス(Clarice) (Written by : Beckley) |
4:00 |
B5 | ドンキー・ジョー(Donkey Jaw) (Written by : Peek) |
5:17 |
B6 | ピジョン・ソング(Pigeon Song) (Written by : Bunnell) |
2:17 |