タイトル | エニィ・ミニッツ・ナウ (Any Minute Now) |
アーティスト | クリス・モンタン (Chris Montan) |
レーベル/番号 | 20th Century-Fox, T-620 |
1980年にリリースされた、クリス・モンタン(Chris Montan)唯一のLPレコード『エニィ・ミニッツ・ナウ(Any Minute Now)』を紹介いたします。
ジャケットの表裏です。いかにもAOR然としたたたずまいです。私は本盤を純粋なジャケ買いで手に入れたと記憶しています。そして、内容も期待にたがわない、素晴らしいAORでした。
好きになる要素はたっぷりありました。彼は、私の大好きなカーラ・ボノフ(Kara Bonoff)のバック・バンドのメンバーとなり、77年から2年間、キーボード兼ギタリストでワールド・ツアーにも参加したとあります。また、以前、紹介したこれまた大好きなジェニファー・ウォーンズ(Jennifer Warnes)のベスト盤『Best of Jennifer Warnes』にもゲスト参加しています。
インナースリーブ(内袋)の写真です。歌詞、制作、共演等、詳細なクレジット。そして、彼の優しそうなポートレイトも掲載されています。
制作、録音、共演のクレジットの部分です。小さくて見にくいとは思いますが、多くの情報がここに詰め込まれています。『(A4) Let's Pick It Up (Where We Left Off)』の1曲は、ジェフリー・リーブ(Geoffrey Leib)との共作ですが、全10曲が彼の自作曲となっています。ソング・ライターとしても非凡な才能を発揮しています。
オープニングは、女性シンガー・ソングライターのローレン・ウッド(Lauren Wood)とのデュエット曲『(A1) Is This The Way Of Love』。ローレン・ウッドは、1990年公開の映画『プリティー・ウーマン(Pretty Woman)』の挿入歌『フォーレン(Fallin)』を歌ったことでも知られています。ラストの『(B5) Everyday I'm Gonna Love You More』で、カーラ・ボノフと、アンドリュー・ゴールド(Andrew Gold)の盟友がバック・ボーカルで参加しています。
ギターで、マーク・ゴールデンバーグ(Mark Goldenberg)、ディーン・パークス(Dean Parks)、エイモス・ギャレット(Amos Garrett)が参加しています。存在感の強いエイモス・ギャレットですが、本盤では脇に徹した控え目な演奏で多彩な一面を見せてくれています。
豪華共演陣に支えられ、クリス・モンタンはボーカルに徹し。ポートレイトのイメージ通りの暖かい声を披露しています。彼のことで残念に思っていたことは、この一作しかアルバムをリリースしていないことです。一発屋で終わってしまったのか?何かトラブルがあったのか?調べているうちに、そんな心配は杞憂に終わりました。
彼は80年代中ごろから、ディズニーのアニメーション・スタジオで音楽プロデューサーの仕事に就いていたのです。その世界で着実にキャリアを重ね、2013年公開の『アナと雪の女王(Frozen)』でも、エグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ねています。彼の才能が高く評価されていたことを嬉しく思いますが、将来もう一度、彼の歌声でAORのアルバムをリリースしてもえらえないだろうか、レコーディングにはカーラ・ボノフが参加してくれたら嬉しいな・・・私の夢であります。
本アルバムは、中古レコードの価格を左右している硬派のロックファンから無視されているおかげか、ワンコイン以下で盤質の良いものに巡り合うことがあります。以前、紹介したクレイグ・ランク(Craig Ruhnke)同様、刺激的な音を全く出してこないので、店内のBGMとしても最適な音作りになっています。その手の音源をお探しの方は、一度手に取ってみることをお勧めします。
A1 | Is This The Way Of Love | 3:25 |
A2 | Any Minute Now | 3:50 |
A3 | Empty Bed Blues | 4:14 |
A4 | Let's Pick It Up (Where We Left Off) | 3:16 |
A5 | This Could Be The Night | 4:38 |
B1 | Doesn't Mean Much To Me | 3:33 |
B2 | All Night With Me | 3:32 |
B3 | Ann | 3:31 |
B4 | Intentions | 4:39 |
B5 | Everyday I'm Gonna Love You More | 2:33 |