タイトル | アバンダント・ランチョネット (Abandonet Luncheonette) |
アーティスト | ダリル・ホールとジョン・オーツ (Daryl Hall & John Oates) |
レーベル/番号 | ATLANTIC, SD 19139 |
1973年にリリースされた、ダリル・ホールとジョン・オーツ(Daryl Hall & John Oates)のセカンドアルバム『アバンダント・ランチョネット(Abandonet Luncheonette)』を紹介いたします。
このLPレコードを手に入れたのは、ラジオで『(A4) 追憶のメロディー(She's Gone)』を聴き、そのドラマティックな展開に惹かれたからですが、清々しい空気を感じる『(A1) つめたい朝(When the Morning Comes)』で始まるアルバムの完成度は予想をはるかに超えるものでした。
ホール&オーツは、その後も素晴らしいレコードを出し続けますが、私のなかで彼らのベストアルバムに今も君臨しています。
テレビで彼らのドキュメンタリーを観たとき「自信を持ってアルバムをリリースしたのに、全く注目されず挫折感を味わい、立ち直るのに時間がかかった」という紹介がされていましたが、ウィキペディアを参照するとミリオンセラーを記録したとあります。この矛盾は何だろうと一時は困惑しました。
真相は、RCA移籍直後の75年にリリースしたアルバム『Daryl Hall & John Oates』からシングルカットされた『サラ・スマイル(Sara Smile)』が大ヒット。それにつられ『追憶のメロディー(She's Gone)』もリバイバル・ヒット、アルバム『Abandonet Luncheonette』も発売3年目にしてゴールド・ディスクを獲得したとあります。
よって、ドキュメンタリー番組とウィキペディア両方が正しかったということになりスッキリしました。
最初手に入れたのは日本盤で、米盤が欲しくて長らく探し続けました。何軒かの中古レコード店で尋ねましたが「なかなか見ないねえ」という返事でした。それが、AOR盤調達で時々訪れる神田神保町のラバーガード・レコード(Rubbergard Records)の店主に、探し続けているのだがと話をすると、「いや、あるはず」とノートPCで在庫を検索、何と床上の段ボールのセールス品をパタパタめくり「ありました」と差し出すではないですか。ほぼワンコインで手に入れたのが本盤です。
セールス品になっていただけに、インナースリーブ(内袋)の状態は良くありませんが、盤質は問題なし。お宝はどこに転がっているかわからないので、あきらめてはいけません。
インナースリーブに掲載された曲紹介(左)と制作クレジット(上)です。全9曲が彼ら2人の作です。
制作クレジットに『Album design & photography: B.Wilson』の表記がありますが、バーバラ・ウィルソン(Barbara Wilson)は、ジョン・オーツの当時の彼女だったという話があります。
タイトルの『アバンダント・ランチョネット』は「廃屋(Abandonet)となった簡易食堂(Luncheonette)」というような意味で、ジャケットを飾るのは、ダリル・ホールが育ったペンシルベニア州ポッツタウン(Pottstown)にある閉店して荒廃してしまった軽食堂ロズデイル・ダイナー(Rosedale Diner)の写真です。ロズデイル・ダイナーは、世界中から訪れるファンによりバラバラにされ、持ち去られてしまったといいます。
A1 | When the Morning Comes | 3:12 |
A2 | Had I Known You Better Then | 3:22 |
A3 | Las Vegas Turnaround (The Stewardess Song) | 2:57 |
A4 | She's Gone | 5:15 |
A5 | I'm Just a Kid (Don't Make Me Feel Like a Man) | 3:20 |
B1 | Abandoned Luncheonette | 3:55 |
B2 | Lady Rain | 4:26 |
B3 | Laughing Boy | 3:20 |
B4 | Everytime I Look At You | 7:04 |