タイトル | タペストリー(Tapestry) |
アーティスト | ドン・マクリーン(Don Mclean) |
レーベル/番号 | Mediarts, 41-4 |
1970年にリリースされた、ドン・マクリーン(Don Mclean)のファーストアルバム『タペストリー(Tapestry)』を紹介いたします。翌71年リリースの『アメリカン・パイ(American Pie)』が有名で、日本ではセカンドの方をデビューアルバムとして発売しています。私もファーストの存在を知ったのはずっと後のことで、ようやく手に入れることができました。本盤は、ユナイテッド・アーティスツ(United Artists)傘下のメディアーツ(Mediarts)という小さなレーベルからリリースされたものです。
ジャケット裏に、『花はどこへ行った (Where Have All the Flowers Gone?)』など、プロテストソングの大御所、ピート・シーガー(Pete Seeger)の賛辞が掲載されています。以下に拡大しています
「1969年にスループ・クリアウォーターの航海で、ボランティアの乗組員として参加していたマクリーンをよく知ることとなった」というようなことが書かれています。
シーガーの日本版ウィキペディアにその背景説明がありました。少し長いですが、その部分を転載させていただきます。『シーガーは、1966年に環境保護団体“Hudson River Sloop Clearwater”の創設に参加して以来、この組織に長く関わっている。この組織は当時からハドソン川の水質汚染を取り上げて、その改善に取り組んできた。その取り組みの一環として、帆船(スループ)「クリアウォーター(Clearwater)」が1969年に建造され、処女航海ではメイン州からニューヨーク市のサウス・ストリート・シーポート博物館へと回航し、そこからハドソン川を遡上した。この処女航海の乗組員の一人だったドン・マクリーンは、トマス・B・アレンのスケッチを収録した「Songs and Sketches of the First Clearwater Crew」という本を仲間と編集したが、シーガーはこの本に序文を寄せている。』。
本盤には、見開きの詳細なライナーノーツが添付されています。鮮明ではありませんが、その表裏の写真です。以下に、曲目・共演者・録音・制作等のクレジット部分を拡大しました。
右上に、『Songs And Sketches of the First Clearwater Crew』の見出しで、本の紹介と問い合わせ先があります。私にとっては謎の記述でしたが、背景がようやく理解できました。
Mediarts盤で、気に入っていることのひとつ。A・B面でデザインが違う美しいレーベル。A面(Side.1)は、海に沈むオレンジ色の夕日。B面(Side.2)は、山の上の灰色の霧。
全編を通し、ギター主体のシンプルな構成で、マクリーンの強いメッセージを感じさせる歌を聴かせます。本アルバムは翌71年以降は、本体のユナイテッド・アーティスツ(United Artists)からリリースされることになりますが、彼の本当のルーツに触れる意味で、オリジナルのメディアーツ(Mediarts)盤を手に入れることができて、本当に良かったと思います。
A1 | Castles in the Air | 2:50 |
A2 | General Store | 2:53 |
A3 | Magdalene Lane | 4:28 |
A4 | Tapestry | 3:44 |
A5 | Respectable | 2:29 |
A6 | Orphans of Wealth | 4:37 |
B1 | Three Flights Up | 5:48 |
B2 | And I Love You So | 4:16 |
B3 | Bad Girl | 3:39 |
B4 | Circus Song | 5:00 |
B5 | No Reason for Your Dreams | 2:09 |