タイトル | フェィブル(Fables) |
アーティスト | イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー(England Dan & John Ford Coley) |
レーベル/番号 | A&M, SP-4350 |
1972年にリリースされた、イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー(England Dan & John Ford Coley)のセカンド・アルバム『フェィブル(Fables)』を紹介いたします。
実は本盤を手に入れたのは、発売から10年ほど経過した社会人となってから。今はなき秋葉原・石丸電気の輸入盤コーナーにファーストアルバムと一緒に並んでいるのを見つけたのです。お目当ては、『(A1) シーモンの涙(Simone)』。当時14歳の私はラジオから流れる優しい声とメロディーに心奪われました。その記憶がよみがえり、ファーストも一緒に購入。72年は、ドン・マクリーン(Don Mclean)の『アメリカン・パイ(American Pie)』など、私の音楽黎明期にあたる年でもありました。
中間色の筆記体を駆使した端正なジャケットデザイン。ジャケット裏の参加アーティストと録音データ部分を画像補正で読みやすくしたのですが、筆記体に慣れない身では解読に苦労します。
今回、改めてファーストと一緒に聴き直して感じたのは、ストリング・アレンジにマーティ・ペイチ(Marty Paich)を配したことからも、より高度なサウンドに取り組む意欲を見せていることです。
『(A4) What I'm Doing』は、ドラマティックな展開のピアノが印象的な曲。本項を読んで、ジョン・フォード・コーリー(John Ford Coley)自身の手によるものと知って驚きました。小さい頃からクラシック・ピアノに取り組んだ面目躍如たる演奏を披露しています。
また、リア・カンケル(Leah Kunkel)のページで紹介した、ラス・カンケル(Russ Kunkel)がドラムで参加しています。LPレコードのプログラム、ライナーノーツ、録音データ、レーベルには実に多くの情報が詰め込まれていることが分かります。
『シーモンの涙』は、日本でNO.1ヒットを記録。スリー・ドッグ・ナイト(Three Dog Night)の日本公演に前座として来日も果たします。しかし、本国では振るわず低迷が続きます。彼らのブレークは、アトランティック(Atlantic)傘下のBig Tree Recordsへ移籍後、76年リリースの4thアルバム『秋風の恋(Nights Are Forever)』まで待たねばなりません。
「良い曲と、売れる曲は違う」。どこかで聞いた話を思い出してしまいました。
A1 | Simone | 2:56 |
A2 | Casey | 3:28 |
A3 | Free The People | 2:20 |
A4 | What I'm Doing | 5:32 |
B1 | Carolina | 2:42 |
B2 | Tomorrow | 3:28 |
B3 | Candles Of Our Lives | 3:07 |
B4 | Matthew | 3:27 |
B5 | Stay By The River | 4:01 |