タイトル | ハイ・ファイ・ブレンド(HI-FI BLEND) |
アーティスト | ハイ・ファイ・セット(Hi-Fi Set) |
レーベル/番号 | Alfa Records, ALR-4002 |
ハイ・ファイ・セット(Hi-Fi Set)の初ベスト・アルバム『ハイ・ファイ・ブレンド(HI-FI BLEND)』を紹介いたします。1977年に東芝EMIからリリースされたものがオリジナルですが、所持している盤は、79年にアルファレコードから再発されたものです。
「AORの部屋」に、ハイ・ファイ・セット?と違和感を覚える方もいらっしゃると思います。私も当初この部屋は洋楽専門と考えていました。しかし、以前紹介した『AOR』(株式会社シンコー・ミュージック、2002)で、著者の中田利樹氏は『AORは人それぞれのAOR感があるから面白い。聴く人がAORだと思えば、リンダ・ロンシュタットだってプリファブ・スプラウトだって、はたまたチェット・ベイカーだってAORに入れて構わないのである』『十人十色のAOR感がそれぞれの個性、人間性を表現している』と語っています。
この段に従えば、邦楽のハイ・ファイ・セットだって、私の中ではAORど真ん中。コーラス好き女房の大フェイバリットでもあります。これまで繰り返し聴いた回数で5本の指に入るLPレコードに間違いありません。
上がジャケット、中がインナースリーブ(内袋)を兼ねた歌詞カード、下がレーベルの表裏です。1975年2月に『卒業写真』でデビュー。ほぼ3年後のベスト・アルバム。順調にキャリアを重ねていったことが、豪華な装丁からもうかがえます。少し乱暴とは思いましたが、このアルバムの美しさを感じていただきたく、並べてしまいました。
しかし、繰り返し聴きする理由は、楽曲と歌唱の素晴らしさ、そして高音質な録音にあります。デビュー曲『(B6) 卒業写真』を含め、荒井由実が4曲で作詞作曲。作詞だけが4曲。全12曲中8曲で、ユーミン・ワールドが拡がります。
ハイ・ファイ・セットを聴くといつも感じることですが、ユーミンの曲と、山本潤子の声がベストマッチであることです。知り合いの奥さんは、このレコードを洗濯物を畳む時に聴くのが一番と言っていました。私は家事はあまりしないのですが、このアルバムの楽しさを表すエピソードとして、強くうなずけます。
A1 | フェアウエル・パーティー (作詞作曲:荒井由実) |
3:48 |
A2 | 冷たい雨 (作詞作曲:荒井由実) |
3:55 |
A3 | ジュ・マンニュイ (作詞:荒井由実、作曲:渡辺としゆき) |
4:18 |
A4 | ファッショナブル・ラヴァー (作詞:大川 茂、作曲:山本俊彦) |
3:57 |
A5 | スカイレストラン (作詞:荒井由実、作曲:村井邦彦) |
3:13 |
A6 | 海を見ていた午後 (作詞作曲:荒井由実) |
3:50 |
B1 | フィーリング (訳詞:なかにし礼、作曲:モーリス・アルバート) |
4:26 |
B2 | クリスタル・ナイト (作詞:大川 茂、作曲:山本俊彦) |
3:57 |
B3 | 土曜の夜は羽田に来るの (作詞:荒井由実、作曲:村井邦彦) |
4:05 |
B4 | フィッシュ・アンド・チップス (作詞:大川 茂、作曲:山本俊彦) |
3:09 |
B5 | 真夜中の面影 (作詞:荒井由実、作曲:山本俊彦) |
3:38 |
B6 | 卒業写真 (作詞作曲:荒井由実) |
3:59 |
[参考文献]
・中田利樹著『AOR』(株式会社シンコー・ミュージック、2002)