タイトル | ハイファイセット(Hi-Fi Set) |
アーティスト | ハイファイセット(Hi-Fi Set) |
レーベル/番号 | Express, ETP-72029 |
1975年にリリースされた、ハイ・ファイ・セット(Hi-Fi Set)のファーストアルバム『Hi-Fi Set』を紹介いたします。本LPレコードは、ハイファイセット・フリークの女房が発売当初に購入したものですが、以前紹介した『ハイ・ファイ・ブレンド(HI-FI BLEND)』等のベストアルバムばかり再生していたため、長らく死蔵状態でした。やはり以前紹介の『パサデナ・パーク(PASADENA PARK)』でオリジナルの魅力に目覚め、改めてファーストアルバムから聴き直してみようと思い立った次第であります。
本アルバム最大の目玉は何といっても、作詞作曲・荒井由実『(A3) 卒業写真』。75年2月5日にデビュー・シングルとしてもアルバムと同時発売されています。あの印象的なオーケストラ・アレンジは、服部克久によるものです。『卒業写真』は同年6月20日リリースの荒井由実のアルバム『コバルト・アワー(COBALT HOUR)』でセルフカバーしています。
見開きの歌詞カードです。ハイファイセット全てのオリジナル・アルバム(少なくともLPレコード)で、好ましいと思っていることが、評者によるライナーノーツ(解説)を掲載しないことがあります。評価の全てをリスナーにゆだねている気がしています。
歌詞カードに掲載されたメンバーのポートレイトを拡大しました。左からテナー・山本俊彦、ソプラノ・山本潤子夫妻、バスの大川茂。ハイファイセットは伝説のフォークグループ「赤い鳥」が前年(74年)に解散。メンバーだった3人が結成したコーラスグループです。同じく「赤い鳥」の、後藤悦治郎と平山泰代も、フォークデュオ「紙ふうせん」を結成、77年に「冬が来る前に」を大ヒットさせました。
私の個人的な感想ですが、前掲の同じ写真を配したジャケット表裏のデザイン、本ポートレイトから受ける印象は、フォークグループ然とした反骨の精神を漂わせています。
左は5年後の80年、アルバムタイトルを『卒業』に替えてAlfa Recordsから同じ内容で再発したときのジャケットです。
その5年の間に、彼らは何と8枚もの(ファースト含めて)オリジナルアルバムをリリースするほど超売れっ子に成長していきます。その変遷が、ジャケットデザインの違いに表れていると思います。今後何枚かのオリジナルアルバムを順を追って紹介していきたいと考えています。
服部克久による短いオーケストラ序曲『(A1) オーバーチャー(Overture)』で幕が開け、続く軽快な『(A2) エイジズ・オブ・ロック・アンド・ロール(Ages Of Rock And Roll)』の歌い出し「レコード屋で見つけました 昔のレコード・・・」の歌詞が、自分の体験と重なり妙に耳に残ります。『(B2) 十円木馬』は、作詞・荒井由実、作曲・松任谷正隆というマニアの間では知られた曲。私が一番特筆したい曲は、作詞・大川茂、作曲・山本俊彦『(B3) フィッシュ・アンド・チップス(Fish And Chips)』。このメンバー2人のゴールデンコンビで、これぞハイファイセット!という名曲を数多く創り出していきます。そのスタートを確認できるだけでも、私にとって聴く価値のあるアルバムです。
A1 | オーバーチャー(Overture) (作曲:服部克久) |
0:28 |
A2 | Ages Of Rock And Roll (作詞:大橋一枝、作曲:村井邦彦) |
3:43 |
A3 | 卒業写真 (作詞作曲:荒井由実) |
3:59 |
A4 | 胸のぬくもり (作詞:山上路夫、作曲:村井邦彦) |
3:33 |
A5 | 今日と明日の間に (作詞:山上路夫、作曲:山本潤子) |
2:26 |
A6 | 大きな街 (作詞:大川茂、作曲:瀬尾一三) |
4:01 |
B1 | 美術館 (作詞:大川茂、作曲:山本俊彦) |
4:02 |
B2 | 十円木馬 (作詞:荒井由実、作曲:松任谷正隆) |
3:01 |
B3 | フィッシュ・アンド・チップス(Fish And Chips) (作詞:大川茂、山本俊彦) |
3:09 |
B4 | 海を見ていた午後 (作詞作曲:荒井由実) |
3:50 |
B5 | 愛の花咲く道 (作詞:山上路夫、作曲:服部克久) |
3:44 |