タイトル | ファッショナブル・ラヴァー(Fashionable Lover) |
アーティスト | ハイファイセット(Hi-Fi Set) |
レーベル/番号 | Express, ETP-72169 |
1976年にリリースされた、ハイ・ファイ・セット(Hi-Fi Set)のセカンドアルバム『ファッショナブル・ラヴァー(Fashionable Lover)』を紹介いたします。
大ヒット曲『卒業写真』収録のファーストアルバムからちょうど1年4カ月経過の6月5日発売と、じっくり準備したと思われる濃い内容になっています。
右上「東芝EMI株式会社」クレジットのみを小さく配置しただけのジャケット裏の写真は、ファーストアルバムの構えたポートレイトから一転してずいぶん無防備な姿と驚いてしまいますが、グラビアの魔術師・篠山紀信の手によるもので、さもありなんと思わせます。
このアルバムは相当に力が入っています。誰が一番腕ぶしているかは、下のインナースリーブ(内袋)を兼ねた歌詞カードの制作クレジットを参照すればわかります。
小さい文字で判読しづらいですが、クレジット冒頭に書かれている内容は・・・
『Inspiration, musicianship and good feelings came by way of MASATAKA MATSUTOYA who arranged all songs and the background vocals of "Hoshi No Stranger", "Tsumetai Ame", "Tsuki Ni Terasarete" and "Fashionable Lover", played acoustic guitar, acoustic and Fender Rhodes piano』
冗長になるので全て訳すのは止めておきますが、アルバム全体のコンセプト、アレンジは松任谷正隆が担当したと強調されています。その他でも、全10曲中ほぼ全ての9曲で荒井由実が作詞。作曲は荒井由実4曲、松任谷正隆4曲。前年(75年)12月に2人は婚約。そしてバックもティン・パン・アレーの仲間、細野晴臣(エレクトリック・ベース)、鈴木茂(アコースティック&エレクトリック・ギター)、林立夫(ドラム)など、松任谷ファミリーで固め蜜月関係そのもののアルバム制作だったことは想像に難くありません。そのなかで、作詞・大川茂、作曲・山本俊彦のゴールデンコンビによるアルバムタイトル曲『(B1) ファッショナブル・ラヴァー(Fashionable Lover)』が光ります。
あえて一つ難を挙げるならば、アレンジにもう少しアコースティック感があった方がハイファイセットのコーラスが生きたのではないか、音質的にも抜けの悪さを感じる部分があることです。そうはいっても、ハイファイセットの人気を確立させた記念碑的アルバムです。私の取るに足らない個人的感想など吹き飛ばされるパワーにあふれています。
A1 | 星のストレンジャー (作詞:荒井由実、作曲:松任谷正隆) |
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A2 | 朝陽の中で微笑んで (作詞作曲:荒井由実) |
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A3 | ジュ マンニュイ(Je M'ennuie) (作詞:荒井由実、作曲:渡辺俊幸) |
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A4 | フェアウェル パーテイー(Farewell Party) (作詞作曲:荒井由実) |
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A5 | 冷たい雨 (作詞作曲:荒井由実) |
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B1 | ファッショナブル・ラヴァー(Fashionable Lover) (作詞:大川茂、作曲:山本俊彦) |
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B2 | 荒涼 (作詞:荒井由実、作曲:松任谷正隆&荒井由実) |
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B3 | 真夜中の面影 (作詞:荒井由実、作曲:山本俊彦) |
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B4 | 月にてらされて (作詞:荒井由実、作曲:松任谷正隆) |
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B5 | グランド・キャニオン(Grand Canyon) (作詞:荒井由実、作曲:松任谷正隆) |