タイトル | ラブ・コレクション(Love Collection) |
アーティスト | ハイファイセット(Hi-Fi Set) |
レーベル/番号 | Express, ETP-72228 |
1977年にリリースされた、ハイ・ファイ・セット(Hi-Fi Set)のサードアルバム『ラブ・コレクション(Love Collection)』を紹介いたします。
ファーストアルバムからセカンドに1年4カ月かけていますが、セカンドから本盤が8カ月。これ以降8枚目まで9カ月以内の間隔で次々にリリースが続くことからも、ハイファイセットの方向性が確立したアルバムといっていいと思います。いい感じで力が抜け吹っ切れたような快作で、私の普段聴きの定番となっています。
ジャケット、レコード盤のレーベル、インナースリーブ(内袋)を兼ねた歌詞カードの表裏を並べてみました。基本的に前作『ファッショナブル・ラヴァー(Fashionable Lover)』のデザインを踏襲していると思いますが、荒井由実が『(A2) 雨のステイション』『(B5) 中央フリーウェイ』の名曲を提供しているものの、クレジットに松任谷正隆の名前はなく、全10曲中9曲で中島みゆきのプロデュースで知られる、瀬尾一三がアレンジを担当しています。
このアルバムから新たにみられる基軸が『(A1) オン エニイ サンデイ(On Any Sunday)』『(A4) まぶしい貴方』『(B2) フィーリング(Feelings)』のように、外国の曲に日本語の歌詞をつけるという試みです。この後も『海辺の避暑地に』『遠くからみちびいて』などハイファイセットの定番曲として、ひとつのジャンルを形成することになります。
私が気にっているのはB面の流れです。作詞・大川茂、作曲・山本俊彦のゴールデンコンビによる軽快な『(B1) クリスタル・ナイト』で始まり、『(B2) フィーリング(Feelings)』のバラード。次の『(B3) カントリー・ボーイ』が特に好きで、大川茂の詩と味のある声。サビが「だけど どこで会った奴も みんな 氷のような目で 野暮なカントリーボーイだと 小声で ささやく」。洗練さが売りのハイファイセットらしからぬ詩ですが、とてもいいアクセントになっています。そして『(B4) 夢に見たジャマイカ』は、続くラスト『(B5) 中央フリーウェイ』の曲調をコミカルにしたようで違和感なくつなげます。私にとって、今後も普段聴きに欠かせないアルバムになっています。
A1 | オン エニイ サンデイ(On Any Sunday) (作詞:有馬三恵子&大橋一枝、作曲:Dominic Frontiere) |
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A2 | 雨のステイション (作詞作曲:荒井由実) |
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A3 | 眠い朝 (作詞:岡田冨美子、作曲:佐藤博) |
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A4 | まぶしい貴方 (作詞:有馬三恵子&大橋一枝、作曲:Ken Gold, Michael Denne) |
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A5 | 夜の傷 (作詞:大川茂、作曲:山本俊彦) |
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B1 | クリスタル・ナイト (作詞:大川茂、作曲:山本俊彦) |
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B2 | フィーリング(Feelings) (作詞:なかにし礼、作曲:Morris Albert) |
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B3 | カントリー・ボーイ (作詞:大川茂、作曲:梅垣達志) |
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B4 | 夢に見たジャマイカ (作詞作曲:戸塚省三) |
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B5 | 中央フリーウェイ (作詞作曲:荒井由実) |