タイトル | ザ・ダイアリー(The Diary) |
アーティスト | ハイファイセット(Hi-Fi Set) |
レーベル/番号 | Express, ETP-72268 |
1977年リリースの、ハイ・ファイ・セット(Hi-Fi Set)4枚目のオリジナル・アルバム『ザ・ダイアリー(The Diary)』を紹介いたします。左上のジャケットの帯に「アメリカ録音盤」の文字があります。収録の多くがロサンゼルスのA&M Studiosで行われました。
ジャケット、レコード盤のレーベル、インナースリーブ(内袋)を兼ねた歌詞カードの表裏を並べています。歌詞カードの制作スタッフの写真を下に拡大しました。
一番左上がA&M Recording Studios Studio A、右上がオーケストラ、バックボーカルのアレンジを担当したBob Alcivarの写真です。リー・リトナー(Lee Ritenour)、バド・シャンク(Bud Shank)などジャズ、フュージョン界の大御所の顔もみえます。右下、ハイファイセットのメンバーの楽しそうな表情も印象的です。
前作『ラブ・コレクション(Love Collection)』から始まった試み、全10曲中5曲で洋楽を日本語に訳して歌います。海外録音だからといって英詩のままではなく、日本語に乗せることが、ハイファイセットの一大特長で、彼らの言葉へのこだわりは半端ないと思っています。訳詩を担当するのは、越路吹雪のマネージャーを務めたことでも有名な、岩谷時子。岡田ふみ子、FUMIKOのペンネームでも多くの歌詞、訳詩を提供している岡田冨美子。キャロル・キング(Carole King)の曲は、なかにし礼。
日本の曲でも、なかにし礼、阿久悠。大川茂のウォームな声で歌われる『(B2) 暖炉でマシュマロ』の作詞は小椋佳。私は、大川茂を卓越した作詞者と思っていますが、「小枝の先にサ 白いマシュマロを刺してサ こげないほどにサ 暖炉の炎で焼いてサ・・・」と「サ」で韻を踏んでいく詩は、後の彼に大きな影響を与えたのではないかと想像しています。
そして、本盤にもハイファイセットに新たに加わった要素があると考えています。それは、ニール・セダカが1958年に発表した、アルバムタイトル曲『(A1) 恋の日記(The Diary)』のジャズ・テイストなアレンジです。ハイファイセットは以降、ジャズに傾注する時期がありますが、その発端がここにみられると思います。ファーストから順を追ってふり返ってきましたが、音楽の世界を徐々に拡げて行った過程を追うことが出来て楽しい経験でした。
A1 | 恋の日記(The Diary) (訳詩:岩谷時子、作曲:Neil Sedaka) |
3:25 |
A2 | 風の街 (作詞:大川茂&松本隆、作曲:山本俊彦) |
3:17 |
A3 | 遠くからみちびいて (訳詩:岩谷時子、作曲:Barry Mann) |
3:52 |
A4 | メモランダム (作詞:なかにし礼、作曲:滝沢洋一) |
3:20 |
A5 | 海辺の避暑地に (訳詩:大橋一枝、作曲:Michel Jonasz) |
3:51 |
B1 | 愛こそすべて (訳詩:なかにし礼、作曲:Carole King) |
4:16 |
B2 | 暖炉でマシュマロ (作詞:小椋佳、作曲:村井邦彦) |
4:13 |
B3 | いつかスターに (訳詩:岡田冨美子、作曲:Ken Gibson) |
3:47 |
B4 | 個人的メッセージ (作詞:阿久悠、作曲:佐藤建) |
3:05 |
B5 | リトル・バロック (作曲:Tony Ariga) |
0:35 |