タイトル | サイアミーズ・フレンズ (Siamese Friends) |
アーティスト | イアン・マシューズ (Ian Matthews) |
レーベル/番号 | Mushroom Records, MRS-5014 |
1979年にリリースされた、イアン・マシューズ(Ian Matthews)のソロ通算9枚目のアルバム『サイアミーズ・フレンズ(Siamese Friends)』を紹介致します。
彼が日本で広く知られるきっかけは、前年78年のアルバム『ステーリン・ホーム(Stealin' Home)』のヒットだったと記憶しています。私もラジオで『Stealin' Home』を聴いて彼を知りました。しかし、最初に手に入れたLPレコードは『Siamese Friends』の方でした。そして、彼独特のグルーヴ感にはまり、何度も聴き返すことになります。
独特のグルーヴ感を具体的に説明するのは難しいのですが、コーラスの重ね方とテンポに特長があると思います。彼のもう一つの特長として、オリジナル以上にカヴァー曲を歌いこなしてしまうことが挙げられます。彼の最大のヒットは『Stealin' Home』からシングル・カットされた、テレンス・ボイラン(Terence Boylan)作の『シェイク・イット(Shake It)』で、全米13位を記録しました。後に、テレンス・ボイランによる『Shake It』を聴いたのですが、イアン・マシューズの方がオリジナルという思いをどうしても払しょくできませんでした。
本盤において、私が印象に残るカヴァー曲を挙げると、マーク・ジョーダン(Mark Jordan)のデビュー・アルバム『マネキン(Mannequin)』からセレクトされた『(A2) サバイバル(Survival)』。スティーヴィー・ニックス(Stevie Nicks)の『(A5) クライング・イン・ザ・ナイト(Crying In The Night)』。2曲ともリフレインが効いた編曲で、イアン・マシューズの世界を構築しています。
ジャケットのイアン・マシューズの格好を、バンドのメンバーが真似しています。左上から時計回りに、ベース、ギターのマーク・グリフィス(Mark Griffiths)。ドラムのジム・ラッセル(Jim Russell)、ギターのボブ・メッツガー(Bob Metzger)、ピアノ、キーボードのミック・ウィーバー(Mick Weaver)、サクソフォンのグレイグ・ビューラー(Graig Buhler)。
マーク・グリフィスは、イアン・マシューズがかつて結成した、カントリー&ロカビリーをルーツに持つバンド、マシューズ・サザン・コンフォート(Matthews Southern Comfort)時代からの盟友です。
インナースリーブに記載されている制作クレジットです。
珍しいと思ったのは、最後にアルバム・タイトルについて、ジェフリー・コマナー(Jeffrey Comanor)へ感謝を表明していることです。
『Siamese Friends』の「サイアミーズ(Siamese)」は双生児のことで、ジャケットからも「双子のようにつながりの強い友人」というような意味でしょうか。イアン・マシューズは意味深で遊び心あふれるタイトルをつけることが多く、1974年のアルバム『Some Days You Eat the Bear...Some Days the Bear Eats You』はその最もたるものだと思います。そのLPレコードに関しては後日あらためて紹介したいと思います。
A1 | You Don't See Me | 4:04 |
A2 | Survival | 3:23 |
A3 | Heatwave | 3:36 |
A4 | Home Somewhere | 3:36 |
A5 | Crying In The Night | 3:34 |
B1 | The Baby She's On The Street | 3:37 |
B2 | Hearts On The Line | 4:14 |
B3 | Anna | 3:27 |
B4 | Lies | 3:33 |
B5 | Runaway | 3:34 |