タイトル | ささやく夜 (Restless Nights) |
アーティスト | カーラ・ボノフ (Karla Bonoff) |
レーベル/番号 | Columbia Records, JC35799 |
私のAORど真ん中カーラ・ボノフ (Karla Bonoff)。1979年にリリースされたセカンドアルバム『ささやく夜 (Restless Nights)』を紹介します。
夜汽車で旅立つ姿でしょうか、ジャケットのインパクトもあり、彼女が日本に広く知られるきっかけとなったアルバムと記憶しています。私もカーラ・ボノフを初めて聴いたのが、このLPレコードです。その後でデビューアルバム『Karla Bonoff』に出会い、彼女への想いが決定的になりました。
カリフォルニア州サンタモニカ生まれのカーラ・ボノフは、15歳のころからソングライターとして活動を始め、姉のリサと『The Daughters of Chester P』というデュオグループを組んで歌っていました。ちなみにグループ名はその意味の通り、父(Chester Paul Bonoff)の名前からとっています。
姉が教師を志すなか、音楽への情熱を持ち続けたカーラは、ケニー・エドワーズ(Kenny Edwards)、ウェンディ・ウォルドマン(Wendy Waldman)、アンドリュー・ゴールド(Andrew Gold)の4人で、ブリンドル(Bryndle)というグループを結成し活躍。A&Mからアルバムリリースの準備もしたのですが、なぜか実現せず、結局ブリンドルも解散。その後、ケニーとアンドリューがリンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)のバンドに参加。2人を通してカーラの楽曲がロンシュタットの耳に触れることとなり、76年にリリースされた『風にさらわれた恋(Hasten Down the Wind)』でカーラ作が3曲取り上げられ、アルバムの大ヒットに貢献しました。カーラは1年遅れの77年に、リンダに提供した3曲を含むデビューアルバム『Karla Bonoff』(Columbia, PC34672)をリリースします。
このセカンドアルバムも、リンダ・ロンシュタットが歌いたそうな曲が並んでいます。現に、オープニング『Trouble Again』を次作で歌いたいという申し出が彼女からあったが、カーラはやんわりと拒否したと日本盤のライナーノーツに書かれています。ロンシュタットは10年後の89年発表のアルバム『Cry Like a Rainstorm, Howl Like the Wind』で『Trouble Again』を歌い本懐を遂げています。
本盤のプロデューサーはブリンドルの盟友ケニー・エドワーズ。同じブリンドルのアンドリュー・ゴールドも参加。他にドン・ヘンリー(Don Henley)、J.D.サウザー(John David Souther)、ジェイムス・テイラー(James Taylor)など大勢の大御所がカーラをサポートしています。
上は歌詞が印刷されているインナースリーブ(内袋)です。米盤で歌詞が掲載されることは少ないのですが、彼女が歌詞に重きを置いていることを示すサインであると思います。
私はリンダ・ロンシュタットも嫌いではありません。しかし、普段聴きとなるとカーラ・ボノフに軍配が上がります。同じブリンドルのメンバーだったアンドリュー・ゴールドも大好きなアーティストです。彼のアルバム『風にくちづけ(Whirlwind)』など、ギターを前面に押し出したハードな内容ですが、聴いていて何故かなごみます。カーラ・ボノフと同じDNAを持っている気がします。彼も後日このメニューで紹介したいと思います。
A1 | Trouble Again | 3:33 |
A2 | Restless Nights | 5:14 |
A3 | The Letter | 2:44 |
A4 | When You Walk in the Room | 2:56 |
A5 | Only A Fool | 6:00 |
B1 | Baby Don't Go | 3:16 |
B2 | Never Stop Her Heart | 4:45 |
B3 | Loving You | 3:23 |
B4 | The Water is Wide | 4:57 |