タイトル | リア・カンケル(Leah Kunkel) |
アーティスト | リア・カンケル(Leah Kunkel) |
レーベル/番号 | Columbia Records, JC35778 |
1979年にリリースされた、リア・カンケル(Leah Kunkel)のファースト・アルバム『Leah Kunkel』を紹介いたします。私が彼女を知ったのは5年ほど前と、最近のことです。AOR盤調達で訪れる神田神保町のラバーガード・レコード(Rubbergard Records)の店主から勧められたのがセカンド・アルバム『I Run With Trouble』(1980年)。その直後に本盤に出会い、愛着の普段聴きになりました。
そのきっかけが、B面ラスト『(B5) Fool At Heart』。ゆったりしたテンポで言葉をつなぎ、徐々にドラマティックな力強い語りで盛り上げていく印象深い曲。実は私にとって大変懐かしい曲で、彼女が斬新なアレンジでカバーしてくれたことで昔の記憶が蘇ってきました。
オリジナルは、前年1978年リリースのスティーヴン・ビショップ(Stephen Bishop)のセカンド・アルバム『Bish』に収められています。ティーヴン・ビショップは、当時、ほぼリアルタイムで愛聴していて、改めて聴き直すきっかけにもなってくれました。
彼のファースト・アルバム『ケアレス(Careress)』(1976年)の日本盤の合田裕之氏によるライナー・ノーツを確認したところ、ビショップが世に出るきっかけに、リア・カンケルが深く関わっていたことを知りました。その部分を転載させていただきます『RCAから数枚のアルバムを発表しているジェームス・リー・スタンレイが、彼の「EVERY MINUTE」を取り上げたあたりから、ビショップの身辺がにわかに明るくなり始めたらしい、というのも、そのスタンレイのセッションを通じて知り合ったのが、ジェームス・テイラーのアルバムでお馴染みの名セッション・ドラマー、ラス・カンケルの奥さんであるリア―・カンケル(原文のまま)。彼女がビショップの曲を気に入って、アルバム「愛の旅立ち」を収録中のアート・ガーファンクルに紹介したことによって全てが始まったのだという。』。
ジャケットはポートレイトといってよいデザインです。彼女はママス&パパス(The Mamas & the Papas)の、キャス・エリオット(Cass Elliot)の妹で、早世した姉の娘オーエンを引き取って育てたとあります。失礼な言い方ですが、姐御肌の面倒見のよい女性に見受けられます。
インナースリーブ(内袋)です。写真に合わせ時計回りに45度傾けてあります。彼女を後ろから抱きしめているのが夫のラス・カンケル(Russ Kunkel)に間違いありません。本盤は、彼とヴァル・ギャレイ(Val Garay)の共同プロデュースで、全曲で巧みな力強いドラミングを披露しています。
『(A2) Under The Jamaican Moon』は、彼女とスティーヴン・ビショップとの共作。ビショップはアコースティック・ギターでも参加しています。大御所スティーブ・ルカサー(Steve Lukather)、ジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)、それに私の大好きなアンドリュー・ゴールド(Andrew Gold)らの協力を得て、上質なアルバムに仕上がっています。
A1 | Step Right Up | 3:28 |
A2 | Under The Jamaican Moon | 3:49 |
A3 | Souvenir Of The Circus | 3:31 |
A4 | If I Could Build My Whole World Around You | 2:45 |
A5 | Down The Backstairs Of My Life | 3:25 |
B1 | A Losing In Love | 3:22 |
B2 | Step Out | 3:37 |
B3 | Don't Leave These Goodbyes | 3:30 |
B4 | I've Got To Get A Message To You | 3:16 |
B5 | Fool At Heart | 4:55 |