タイトル | ゼア・イズ・ア・ブリーズ(There Is A Breeze) |
アーティスト | マイケル・ジョンソン(Michael Johnson) |
レーベル/番号 | Atco Records, SD-7028 |
1973年リリースの、マイケル・ジョンソン(Michael Johnson)のファーストアルバム『ゼア・イズ・ア・ブリーズ(There Is A Breeze)』を紹介いたします。
マイケル・ジョンソンは先月の『ダイアローグ(Dialogue)』から、年をまたいで引き続きの紹介になります。彼は1988年までに10枚のオリジナルアルバムをリリースしていますが、その10枚が短い期間にあれよあれよという間に集まってしまい、相性がいいとはこういうことかと驚いたことがあります。残念ながらそれ以降のアルバムはCDのみで、LPレコードではリリースされていないようです。
多彩なインナースリーブ(内袋)の写真です。Atco Recordsは、アトランティック(Atlantic)傘下のレーベルで、ジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)、ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)、レッド・ツェッペリン(Red Zeppelin)等々、グループ内のビッグ・ネームのアルバムが紹介されています。
ジャケット裏のプログラムです。『(B5) Happier Days』以外はカヴァー曲で『ダイアローグ(Dialogue)』同様に、シンガーに重点を置く姿勢がデビューアルバムから伺えます。
そしてもう一つの軸が、アコースティック・ギターの演奏です。彼は十代前半からギターに打ち込み、22歳のときスペインのバルセロナからリセウ音楽院へ向かい、著名なクラシック・ギタリストのグラシア・タラゴ(Gracia Tarrago)に1年ほど師事したといいます。ブラジル出身の作曲家エイトル・ヴィラ=ロボス(Heitor Villa-Lobos)の『(B4) Study in E Minor』では、クラシック・ギターの端正なソロを聴かせます。ジャケット裏のポートレイトは、彼のギターへの思い入れをよく表していると思います。
アルバム全体の印象は、カントリーを主体としていますが、クラシック曲が違和感なく入るように、しっとりじっくり聴かせます。個人的に一番印象に残るのはラストの短い曲『(B6) You've Got To Be Carefully Taught』。同じくカヴァー名人のイアン・マシューズ(Ian Matthews)の名盤『スティーリン・ホーム(Stealin Home)』では、B面のオープニングでこの曲がアカペラ・コーラスで歌われ、アルバムタイトル曲『Stealin Home』に導かれる構成がとても印象的でした。マイケル・ジョンソンのアルバムは、イアン・マシューズとともに今後も紹介していきたいと思います。
A1 | Pilot Me (Greg Brown) |
3:14 |
A2 | In Your Eyes (Amy Johnson) |
2:47 |
A3 | There Is A Breeze (Mark Henley) |
3:39 |
A4 | See You Soon (Paul Johnson) |
2:24 |
A5 | Old Folks (Jacques Brel, Gerard Jouannest, Jean Cori, Eric Blau, Mort Shuman) |
5:12 |
A6 | Rooty Toot Toot For The Moon (Greg Brown) |
4:41 |
B1 | My Opening Farewell (Jackson Browne) |
4:36 |
B2 | I Got You Covered (Biff Rose; Prologue & epilogue by Michael Johnson) |
3:38 |
B3 | On The Road (Carl Franzen) |
3:17 |
B4 | Study in E Minor (H. Villa Lobos) |
4:33 |
B5 | Happier Days (Michael Johnson) |
2:19 |
B6 | You've Got To Be Carefully Taught (Richard Rodgers, Oscar Hammerstein) |
1:16 |