タイトル | クォーターフラッシュ (Quarterflash) |
アーティスト | クォーターフラッシュ (Quarterflash) |
レーベル/番号 | Geffen Records, GHS 2003 |
1981年にリリースされた、クォーターフラッシュ(Quarterflash)のデビュー・アルバム『Quarterflash』を紹介いたします。リンディー・ロス(Rindy Ross)のカッコいいサキソフォンと、キュートなボーカル。どことなく懐かしさを感じさる重厚でキャッチャーなメロディー。本LPレコードは、衝撃をもって迎えられたと記憶しています。
上の写真は、日本盤に添付されていた観音開きのライナーノーツです。湯川れい子氏を筆頭に4人の解説陣が絶賛の文を寄せています。日本でも、セールスに相当力を入れた期待の新人であったことが分かります。
ジャケット表裏です。衝撃的デビューをイメージさせるデザインになっています。
本盤は、デヴィット・ゲフィン(David Geffen)が80年に設立したゲフィン・レコード(Geffen Records)からのリリース。湯川れい子氏の解説によると、敏腕プロデューサーのジョン・ボイラン(John Boylan)をつけて、1年の期間、クォーターフラッシュのコンセプションを煮つめる作業につかせていたとあります。ゲフィン・レコード設立当初から本アルバムが準備されていたことになります。
ジョン・ボイランは、シンガー・ソング・ライター、テレンス・ボイラン(Terence Boylan)の兄で、リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)、リトル・リバー・バンド(Little River Band)、ピュア・プレイリー・リーグ(Pure Prairie League)、REOスピードワゴン(REO Speedwagon)などを手がけ、ボストン(Boston)を発掘して世に送り出すなど、大きな功績を残しています。
全9曲中『(A3) Critical Times』を除いた8曲が、リンディー・ロス(Rindy Ross)の夫でリーダーのマーヴ・ロス(Marv Ross)作となっています。『Critical Times』は、メンバーのジャック・チャールズ(Jack Charles)作でボーカルも担当しています。ジャックは『(B2) Cruisin' With The Deuce』でもボーカルを披露しています。
本盤の魅力は、何といってもリンディー・ロスの、泣きのサキソフォンと、パット・ベネター(Pat Benatar)に例えられる、情熱的でしなやかなボーカルにあります。それが十分に発揮された『(A1) Harden My Heart』は、シングル・チャートで全米3位のヒット。アルバムも8位に記録されています。
日本盤のライナーノーツに掲載されている、メンバーのポートレイトです。右から3人目がサキソフォン、ボーカルのリンディー・ロス(Rindy Ross)、2人目がギターのマーヴ・ロス(Marv Ross)。左から2人目がギター、ボーカルのジャック・チャールズ(Jack Charles)。他の3人は写真との照合がつかないのですが、ベースの「リッチ・グーチ(Rich Gooch)」、ドラムの「ブライアン・デイヴィッド・ウィリス(Brian David Willis)」、キーボードの「Rick Digiallonardo」。
リンディーとマーヴのロス夫妻は、1991年に「ザ・トレイル・バンド(The Trail Band)」というカントリー・バンドに参加。2015年までに13枚のアルバムを発表していて現在も活動中です。
クォーターフラッシュは、1991年の4枚目のアルバム『Girl in the Wind』を最後にメジャーの一線から退いた形になっていますが、2008年『Goodbye Uncle Buzz』、2013年『Love Is a Road』と、クォーターフラッシュ名義のアルバムをリリースしています。おしどり夫妻の、地に足のついた活躍をこれからも見守って行きたいと思います。
A1 | Harden My Heart | 3:51 |
A2 | Find Another Fool | 4:32 |
A3 | Critical Times | 5:06 |
A4 | Valerie | 4:20 |
A5 | Try To Make It True | 3:38 |
B1 | Right Kind Of Love | 3:49 |
B2 | Cruisin' With The Deuce | 4:10 |
B3 | Love Should Be So Kind | 3:10 |
B4 | Williams Avenue | 7:57 |