タイトル | キャラバンサライ(Caravanserai) |
アーティスト | サンタナ(Santana) |
レーベル/番号 | Columbia, KC 31610 |
1972年にリリースされた、サンタナ(Santana)の『キャラバンサライ(Caravanserai)』を紹介いたします。私が最初に手にしたのは日本盤で、CBSソニーから発売された4チャンネル・ステレオ対応でした。通常のステレオ再生でも問題ないという触れ込みでしたが、何か中途半端な気がして、いずれはスタンダードなLPレコードを聴いてみたいと思っていました。リリース当時は高校生。還暦を過ぎてようやく手に入れたのが本盤です。
見開きジャケットの表裏、AB面のレーベルの写真を上に並べてみました。ジャケットは曲の雰囲気をよく伝える幻想的なデザイン。
ジャケット裏左上にアルバムのコンセプトを伝える言葉が記されています。映画・音楽評論家の今野雄二氏が日本盤のライナーノーツを手懸けていますが、そこに訳語が載っているので以下に転載させていただきました。
肉体は溶けて宇宙に変わる
宇宙は溶けて静寂の音に変わる
音は溶けてまばゆい光に変わる
そして光は無限の歓喜に抱かれる
パラマハンサ・ヨガナンダ著『形而上学的瞑想』より
ヨガ導師の言葉で、カルロス・サンタナはこの頃、インド哲学に傾倒。10曲中7曲がインストゥルメンタルという構成は、哲学的瞑想へ引きずり込む魔力に満ちています。
私の高校時代、同級生がバンドを組んでいて、サンタナのコピーをしていました。十八番(おはこ)は、アルバム『天の守護神(Abraxas)』(1970年)収録の『ブラック・マジック・ウーマン(Black Magic Woman)』『僕のリズムを聞いとくれ(Oye Como Va)』。そんな最中にリリースされた『キャラバンサライ』の衝撃は強烈でした。サンタナが、コピーなど及びもつかない宇宙の彼方に去ってしまった感覚に襲われました。
「The Inner Sleeve」と題されたインナースリーブ(内袋)の画像も掲載しておきます。この世俗的なデザインで地球に戻されたようでホッとします。
時々無性に『(A5) Song Of The Wind』が聴きたくなり、本アルバムに針を落とします。軟弱な私の感性のなかでサンタナというと、この泣きのギターにとどめを刺してしまうのです。
A1 | Eternal Caravan Of Reincarnation | 4:25 |
A2 | Waves Within | 3:54 |
A3 | Look Up (To See What's Coming Down) | 2:55 |
A4 | Just In Time To See The Sun | 2:13 |
A5 | Song Of The Wind | 6:03 |
A6 | All The Love Of The Universe | 7:39 |
B1 | Future Primitive | 4:20 |
B2 | Stone Flower | 6:05 |
B3 | La Fuente Del Ritmo | 4:30 |
B4 | Every Step Of The Way | 9:06 |