タイトル | ポール・ウィナーズ・ライド・アゲイン(The Poll Winners Ride Again) |
アーティスト | ポール・ウィナーズ(The Poll Winners) |
レーベル/番号 | コンテンポラリー(Contemporary), C3556 |
東海岸のブルーノート(BLUE NOTE)のアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)、ルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)と対比して語られるのが、西海岸のコンテンポラリー・レコード(Contemporary Records)の創始者&プロデューサーのレスター・ケーニッヒ(Lester Koenig)と、録音技師のロイ・デュナン(Roy DuNann)である。そのコンテンポラリーが手がけたレコードを何枚か紹介したい。
まず最初に、『ポール・ウィナーズ・ライド・アゲイン(The Poll Winners Ride Again)』(1958年)。
よく知られるように、ポール・ウィナーズ(The Poll Winners)は、雑誌の楽器別人気投票で1位に輝いた3人、ギターのバニー・ケッセル(Barney Kessel)、ベースのレイ・ブラウン(Ray Brown)、ドラムのシュリー・マン(Shelly Manne)を組ませたコンテンポラリーの企画アルバム。
1位同士なら優劣はないはずだが、リーダーがバニー・ケッセルになっていることに、長らく疑問を抱いていた。ベースとドラムはリズムを刻むもの、ギターはメロディーを奏でるもの、同列ならメロディーを奏でる楽器がリーダーの位置になるということか? A面2曲目『ボラーレ(Volare)』で、ベースとドラムがメロディを奏でる洒落たフレーズがある。これはアイロニー(皮肉)を込めたアレンジなのだろうか、私の勝手な解釈である。
コンテンポラリーは、ブルーノートに比べて製品管理がしっかりしていてオリジナル盤、ファーストプレスの判断が、内周に刻印されたレコード番号で容易に特定できる。「RVGの部屋」でも紹介した、私のバイブル、山口克巳著『LPレコード新発見』(誠文堂新光社)に詳しい説明が掲載されている。まず、LKL(モノラル盤)、LKS(ステレオ盤)のプリフィックス記号で始まり、次にモノラル盤の12インチ(30センチレコード)は「12」が続く、「12」がないものは10インチ盤。ステレオは10インチ盤で発売されなかったのでこの表記はない。次にレコード番号が続く、レコード番号は制作順にナンバリングされていてA・B面で連番となっているため。B面の番号を2で割った数で何枚目に発売されたアルバムかが分かる。その次のDに続く番号が、何度目にカッティングされたメタルマスターからプレスされたかを表す。
実は、以前「1枚のLPレコード購入にかけた最高額8千円」と紹介したレコードが本盤である。
本盤のレコード番号を見ると、A面が「LKL-12-229-D1」、B面が「LKL-12-230-D1」と、モノラル通算115枚目のアルバム。「D1」の表記からファーストカッティングのプレス盤ということが分かる。であれば、この値段は妥当だったと自分を納得させている。
[参考文献]
・山口克巳著『LPレコード新発見』(誠文堂新光社、2005)