タイトル | プリィーチィン(Preachin') |
アーティスト | ジーン・アモンズ(Gene Ammons) |
レーベル/番号 | Prestige, PR 7270 |
1962年にプレスティッジ(Prestige)からリリースされた、ジーン・アモンズ(Gene Ammons)の『プリィーチィン(Preachin')』を紹介します。
ジャケット、レコード盤レーベルの表裏です。『決定版 プレスティッジ・ブック』(ジャズ批評編集部・編)の12インチ・センター・レーベルの説明によると、同じ黄と黒のデザインで住所の最後が「N.Y.C.」であれば、ニューヨークが本拠だった最初期のレーベルですが、本盤は「N.J.」。1957年にニュージャージに移転後の第2期のものです。第2期はレコード番号が7142から7320番前後とあり、本盤7270番は合致します。同誌でプレスティッジの変遷とともに11種類のレーベルの紹介があります。全種類を手に入れることなど私には不可能ですが、今までアップしたページに、何種類か合致するものがあったので、以下に紹介したいと思います。
「RVGの部屋」登録、レッド・ガーランド(Red Garland)の『レッド・イン・ブルースヴィル(Red In Bluesville)』です。本盤とおなじ第2期のステレオ盤のデザインです。黒の部分がシルバーに、黄色が黒に変わっています。画像処理のスキルが乏しく、黒がくすんで小豆色に見えますが、実際はもっとはっきりした黒です。
同じく「RVGの部屋」登録、ソニー・スティット (Sonny Stitt)の『ナイト・レター (Night Letter)』。7000番台後半、7500から7857番前後とあり、左の7759は合致します。上部の丸で囲まれたロゴはイカリのマークだそうです。
やはり「RVGの部屋」、レッド・ガーランドの『Can't See For Lookin』。71年にファンタジー・レコード(Fantasy Records)に買収された以降のデザイン。黄緑地の上部に青のイカリロゴ。オリジナルなら63年リリース。レーベルを拡大するとわかりますが、72年の再発盤。この頃になるとペラペラの薄盤が主流となり、厚いレコード盤に感じた風格を求めることはできません。
レーベル話で脱線しました。私はジーン・アモンズのアルバムを、分厚いレコード盤、珍品の香りがする厳かなデザインに魅かれ、試聴もせず純粋なジャケ買いで手に入れました。
内容も思った通り珍品。最後の曲目リストにある通り、JAZZレコードらしからぬ収録曲の多さ。最短が『(A2) Yield Not』の2分01秒。最長でも『(B2) Precious Memories』の4分11秒。1曲1曲があっという間に終わっていく印象ですが、繰り返し何度も何度も聴いていたい心地良さ。タイトルの『プリィーチィン(Preachin')』は、「説教」「説教を伴う礼拝」といった意味で、本アルバムはジーン・アモンズのテナーによる賛美歌集なのです。
ジャケット裏のプログラム部分を拡大してみました。「GENE AMMONS, tenor sax with organ, bass and drum accompaniment」で「伴奏はオルガン、ベース、ドラム」とだけ記され、伴奏者の名前がありません。ウィキペディアに、オルガンはクラレンス・アンダーソン(Clarence "Sleepy" Anderson)。ベースがシルベスター・ヒックマン(Sylvester Hickman)。ドラムはドラル・アンダーソン(Dorral Anderson)と記されていました。テナーのソロを、静かにサポートするだけの演奏。名前の記載が無いこともうなずけます。硬派のジャズファンには見向きもされないアルバムと思いますが、私にとっては普段聴きの宝物です。
A1 | Sweet Hour | 3:15 |
A2 | Yield Not | 2:01 |
A3 | Abide With Me | 3:18 |
A4 | Blessed Assurance | 3:18 |
A5 | The Prayer | 3:00 |
A6 | You'll Never Walk Alone | 3:44 |
B1 | I Believe | 3:18 |
B2 | Precious Memories | 4:11 |
B3 | What A Friend | 3:35 |
B4 | Holy Holy | 2:45 |
B5 | The Light | 2:49 |
[参考文献]
・『決定版 プレスティッジ・ブック』(ジャズ批評編集部・編、2005)