タイトル | トゥー・ラヴズ(Two Loves) |
アーティスト | デューク・ジョーダン・トリオ(The Duke Jordan Trio) |
レーベル/番号 | SteepleChase, SCS-1024 |
デンマークのスティープルチェイス(SteepleChase)から1974年にリリースされた、デューク・ジョーダン・トリオ(The Duke Jordan Trio)の『トゥー・ラヴズ(Two Loves)』を紹介いたします。
「レコード屋の店内にかかっていた演奏があまりに良かったので、これ下さいと買ってきてしまった」「へぇー、何というレコード」「んーと、デューク・ジョーダンで、題名はトゥー・ラヴズというのかな」「じゃあ私も見つけたら購入してみようかな」。友人との電話の後、デューク・ジョーダンか、あまり聴いてないけど何枚かあったはずとレコード棚をチェックしたら、アレッ?と死蔵状態から現われ出でたのが本盤でした。
さっそく針を降ろすと、友人が言う通り何とも味のある演奏。抑えたなかにも心に火を灯してくれる明るさがあり、それからは普段聴きの定番となってしまった。
左は、デューク・ジョーダンの最高傑作といわれる『フライト・トゥ・デンマーク(Flight to Denmark)』。ジャズ・ピアノの名盤特集などで必ずといっていいほど目にするジャケットです。
その『フライト・トゥ・デンマーク』と同日に録音されたのが『トゥー・ラヴズ』。完成度が高いはずと納得させられました。
『ジャズ批評:特集トミー・フラナガン/デューク・ジョーダン』(2009 NO.5/vol.151)の『フライト・トゥ・デンマーク』のディスコグラフィーに、『ただし、制作者ニールス・ウィンターは対の作品、「Two Lovers」のほうが好きだといっていた』というマシュマロレコード・上不三雄氏のコメントを見つけて、少し嬉しくなりました。
ジャケットのメンバ紹介、曲目、録音データを拡大しました。デューク・ジョーダンのピアノ、マッズ・ヴィンディング(Mads Vinding)のベース、ドラムは、オスカー・ピーターソン・トリオに在籍、『プリーズ・リクエスト(We Get Requests)』など多くの名演で知られる、エド・シグペン(Ed Thigpen)。
曲目の欄で私が注目したのは、A、B面それぞれのトータル時間(Total time)が記載されていること。何だそんなことと思うなかれ、人によっては大変重要な情報でもあります。店内BGM、カセット・テープに録音する時の目安。中古レコードでは手書きでトータル時間を書き込んでいるジャケットをよく見かけます。A面が25分01秒、B面が24分49秒。ちなみに『フライト・トゥ・デンマーク』のA面は25分02秒、B面は25分10秒。ほぼ25分に統一されていて、カセットの60分テープ(片面30分)に録音するのにちょうどいい長さだなと嬉しくなってしまいます。そういった文化が廃れたのはちょっと寂しい気がします。
A1 | Subway Inn (Duke Jordan) |
8:07 |
A2 | My Old Flame (Arthur Johnston, Sam Coslow) |
8:41 |
A3 | Blue Monk (Thelonious Monk) |
5:12 |
A4 | Two Loves (Duke Jordan) |
3:01 |
B1 | Embraceable You (George Gershwin) |
7:11 |
B2 | Wait And See (Duke Jordan) |
2:43 |
B3 | I'll Remember April (Don Raye, Gene de Paul, Patricia Johnson) |
5:34 |
B4 | Lady Dingbat (Duke Jordan) |
4:03 |
B5 | Jordu (Duke Jordan) |
5:18 |
[参考文献]
・『ジャズ批評:特集トミー・フラナガン/デューク・ジョーダン』(ジャズ批評社、2009 NO.5/vol.151)