タイトル | エヴリシング・アイ・ラヴ(Everything I Love) |
アーティスト | ケニー・ドリュー(Kenny Drew) |
レーベル/番号 | SteepleChase, SCS-1007 |
1973年、デンマークのスティープルチェイスからリリースされた、ケニー・ドリュー(Kenny Drew)の『エヴリシング・アイ・ラヴ(Everything I Love)』を紹介します。
ジャケット、レコード盤のレーベル表裏を並べています。抒情的なソロピアノが好きな私は、本盤を何日もターンテーブルに乗せたままにして、繰り返し聴いていた時期があります。いつか取り上げたいと考えていたのですが、私にケニー・ドリューを語る資格はないとためらっていました。その思いは今でも同じです。彼のルーツと言うべき50年代、ブルーノート、リヴァーサイド等のアルバムを聴いていないことが、ためらいの大きな原因です。実のところ高額で手が出せなかったのが本音であります。
私が初めて手にした彼のLPレコードは左のジャケット、RVC(RCA Victor Corporation)傘下のベイステイト(Baystate)から85年にリリースされた『ケニー・ドリュー・バイ・リクエスト(Kenny Drew by Request)』。『月刊誌ステレオ』(音楽之友社)巻末の新譜紹介に、高評価で取り上げられたことが手に入れるきっかけでした。
佐藤秀樹氏によるライナーノーツに『これはRVC創立10周年を因んで実現された注目のレコーディング。スイングジャーナル誌の85年6月号に投票用紙を挿入、50曲の候補曲の中からドリューの新作のために演奏される曲を応募、同誌9月号の結果発表にもとづいて制作されたものであって、魅力的な10曲のナンバーが並ぶことになった』。『朝日のようにさわやかに』のオープニング、『ミスティ』『煙が目にしみる』『ラウンド・ミッド・ナイト』・・・彼との出会いは、イージー・リスニング・ジャズからでした。
彼の活躍はレコードのリリース国の違いで、3つの時期に分けられるといいます。50年代の米国。スティープルチェイスによって復活した70年代のヨーロッパ。ベイステイトを代表とする80年代の日本。私に残された課題は50年代ですが、年金生活ではとても高いハードルです。
『エヴリシング・アイ・ラヴ』に話を戻します。ソロピアノでは本盤と、以前紹介したマリアン・マクパートランド(Marian McPartland)の『ウィロゥ・クリーク・アンド・アザー・バラード(Willow Creek and other ballads)』に日頃から大変お世話になっています。
気分が落ち込んでるときは、マリアン・マクパートランドの力強いタッチで元気をもらい、気が急いて何だか苛々するときは、ケニー・ドリューの耽美な世界で心を落ち着かせる。この2枚のアルバムは、私にとって越中富山の常備薬なのです。
A1 | Sunset | 3:41 |
A2 | Portrait Of Mariann | 4:31 |
A3 | Blues For Nils | 3:25 |
A4 | Yesterdays | 5:54 |
A5 | Everything I Love | 3:21 |
B1 | Winter Flower | 3:30 |
B2 | Fall | 5:40 |
B3 | I Can't Get Started | 5:15 |
B4 | Don't Explain | 5:05 |