タイトル | カム・フライ・ウィズ・ミー(Come Fly With Me) |
アーティスト | ピム・ヤコブス・トリオ(Pim Jacobs Trio) |
レーベル/番号 | 日本フォノグラム, DMJ-5013 |
ピム・ヤコブス・トリオ(Pim Jacobs Trio)の『カム・フライ・ウィズ・ミー(Come Fly With Me)』の日本盤を紹介いたします。
冒頭から大きく脱線します。私が会社勤めをしていたころ大阪出張の際に、梅田の中古レコード店をよく廻りました。関東に比べ気取らない敷居の低い雰囲気が気に入っていました。
高級JAZZレコード店として東京のA店と並び西の横綱と称された「冗談男爵」にも立ち寄りました。A店では店主の冷たい視線と桁違いな値付けに恐れをなし早々に退散した経験から、緊張をはらんでの訪問でした。意外に良心的な値付けにまず安心。購入候補盤の試聴にも快く応じていただき、ジャズ喫茶を営んでいたときの話なども聞けて気持ち良く店を後にしました。その足でもう一軒、近くの有名店を訪れたときのことです。
ブルーノートの安いリバティー再発盤を2枚ほどレジで精算のとき、店主が嬉しそうに大きな声で「あんさん!外盤好きでっか?」と聞いてきたのです。「ええ、リバティーは音が聴きやすくて好きです」と答えると、「そうでっしゃろ!国産はあきまへんなー!」。「キング盤は音が良いと聞きますが」と返すと、「あきまへん!あきまへん!もうどうにもなりまへん!」の畳みかけにビックリ。もちろん、意見には個人差があります。「リバティー、UA盤より、キングのほうが断然上!」と断言するレコード店主に出逢ったこともあります。
国内盤でも音が良いLPレコードはたくさんあります。いつか取り上げたいと思っていました。その中で真っ先に思い浮かぶのが本盤です。
前置きが長くなりました。帯を外したジャケットと、レコード盤のレーベル表裏を並べました。帯に高音質をうたった宣伝文句があるので、以下に拡大します。
オリジナルは、1982年にオランダのフィリップス(Philips)からリリースされました。本盤は91年に日本フォノグラムから発売されたものです。当時、オリジナルであれば30万円は下らないと聞いたことを覚えています。アルバム・タイトルでもある『(A3) カム・フライ・ウィズ・ミー(Come Fly With Me)』の楽しく清々しい演奏に魅かれ手に入れました。
欧州オランダのトリオ、ピアノ&リードのピム・ヤコブス(Pim Jacobs)、ベースが弟のルード・ヤコブス(Ruud Jacobs)、ドラムはピーター・イプマ(Peter Ypma)。
ピム・ヤコブスを強く印象づけられた映像があります。ピーター・バラカンがパーソナリティーをつとめる、WOWOWの番組『JAZZ FILE』で取り上げた「ウェス・モンゴメリー ライブ イン '65」。オランダのスタジオで、ピム・ヤコブス・トリオとセッションする場面。ドラムは本盤と違ってハン・ベニンク(Han Bennink)。譜面なしの音合わせだけで3曲披露するのですが、そのやり取りが楽しく必見です。
特にラストの3曲目。ピムが「次は何にする?」、ウェスが「これはどう?」とギターをつま弾く、ピムが「曲名は?」、ウェス「知らない」、ピム「聴いたことあるけど、弾いたことないは」。それではと簡単なリハーサル。ウェス「最初はBフラット。変わった始まりだけどBフラット」「ここはFマイナーだけで」。ピム「ここは即興でいい?」、ウェス「もちろん、もちろん」。 演奏スキルが全くない私には何のことやらサッパリ。「すごいな~」口をポカンと開け観ている(聴いている)しかありません。
脱線ばかりで申しわけありません。本盤と同シリーズのアルバム・タイトルが帯にあるので、高音質な日本盤の手掛かりとして、少し冗長ですが画像を掲載しておきます。
A1 | I've Got The World On A String | 5:29 |
A2 | Spring Will Be A Little Late This Year | 5:36 |
A3 | Come Fly With Me | 6:20 |
A4 | Autumn Leaves | 4:11 |
B1 | Who Can I Turn To | 5:35 |
B2 | I Love You | 4:49 |
B3 | Body And Soul | 5:42 |
B4 | Sultry Serenade | 6:27 |