タイトル | コンサート・バイ・ザ・シー(Concert by the Sea) |
アーティスト | エロール・ガーナー(Erroll Garner) |
レーベル/番号 | コロンビア(COLUMBIA), CL883 |
私が「レコードの音が良いとは、どういうことだろうか?」と考える時に、必ず思い浮かべるのが本盤である。「録音があまり良くない」と言われているアルバムである。1955年のライブ録音。本場のウキペディア(Wikipedia)からの引用だが、録音機材はチープで、ピアノも調律が取れていないようなことが書かれている。
確かに、上も下もない中音に凝縮された音で、Eddie Calhounのベース、Denzil Bestのドラムはあまり聞こえない。しかし、エロール・ガーナー(Errol Garner)のピアノだけはクリアに記録されている。あまり欲張らず、ガーナーのピアノに照準を合せたことが正解だったと思う。
ガーナーは演奏の途中で興に乗ると、うなり声をあげるのだが、『JAZZ仲間というやつは・・・』で紹介した、マニアのアルティクA-5で聴いた時に、うなり声のおかげもあり、ガーナーが、すぐそこで演奏しているようなリアルさであった。
音質は別にしても、強烈なスイング感、選曲&構成の良さで一気に聴かせてしまう『コンサート・バイ・ザ・シー(Concert by the Sea)』は、ガーナーの作品のなかで、最も愛されているアルバムと言って間違いないだろう。先に日本盤を手に入れていたが、栗村政昭氏のライナーノーツの冒頭に『当時ダウン・ビート誌が掲載していたベスト・セラー・ジャズ・アルバムの頁で何週にもわたってこのアルバムは首位を独占した。』とある。
ガーナーでよく語られることに、読譜力が弱かったということがある、しかし、ガーナーが譜面から入った人であれば、あの無敵のスイング感が得られたであろうか?美空ひばり、ウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery)同様、天才ガーナーに読譜は必要なかった、というのが真実でないだろうか。
これは、楽器は何もできない、読譜などもってのほか、聴くだけ素人の戯言です。
本盤は1955年9月19日、カリフォルニア州のカーメル市という小さな港町で録音された。カーメル市の正式名称は『カーメル・バイ・ザ・シー (Carmel-by-the-Sea) 』。アルバムタイトルはそれにかけているのか、またウキぺディアからの引用だが、美しい景観と芸術家の集まる独特の雰囲気で知られる街で、歴代の市長には俳優、詩人、作家などが度々選出され、クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)も1986-1988年にかけて市長を務めている。これは本盤と関係のない話ですね。