タイトル | パリの印象 第1集 (Paris Impressions Vol.1) |
アーティスト | エロール・ガーナー(Erroll Garner) |
レーベル/番号 | Columbia, CL1212 |
1958年にリリースされた、エロール・ガーナー(Erroll Garner)の『パリの印象 第1集(Paris Impressions Vol.1)』を紹介いたします。
前年、同じコロンビアからリリースの『アザー・ヴォイシズ (Other Voices)』同様、当時ガーナ―のマネージャーだった、マーサ・グレイザー(Martha Glaser)による実直さを感じる長いライナーノーツが掲載されています。57年12月1日、ガーナーは約10年ぶりにヨーロッパを訪れ、ナンシー(Nancy)、ブリュッセル(Brussels)、アムステルダム(Amsterdam)でのコンサート、ロンドン(London)訪問のため、パリ(Paris)に滞在。仕事の合間、ガーナーはパリでの時間を観光客として過ごしました。鮮明な冬の空気のなか街中を歩き、フランス人のおもてなし、風景の美しさ、言葉、テンポ、出会った人物、音楽、グラフィック、舞台芸術すべて、ガーナーに深い印象を与えたとあります。
彼はパリから帰国しても、旅行についての話はせず、旅の経験の本質をじっくり吸収しているようだったといいます。そして、58年3月下旬、ガーナーは、ミッチ・ミラー(Mitch Miller)に録音日のスケジュールを訪ね、「パリへの旅を録音する」提案をしました。
コール・ポーター(Cole Porter)の『(A2) I Love Paris』などパリ関連の曲を演奏するだけでなく、収録8曲のうち5曲がガーナーの自作で、パリの印象を巧みに表現しています。
ジャケット裏のプログラム。「ERROLL GARNER」の下に「Pianist and Harpsichordist」のクレジット。『(A4) Don't Look For Me』『(B4) Cote D'Azur』の2曲で初めてハープシコード(チェンバロ)の演奏を披露したことが、本アルバム注目の一つになっています。ミッチ・ミラーが、ハープシコードで演奏することをガーナーに長い間勧めていたことも書かれています。2曲ともガーナー自作で、特に『(A4) Don't Look For Me』における激しい演奏が白眉と言っていいと思います。
ジャケット裏に繊細なタッチのイラストが掲載されています。パリの印象を頭に思い浮かべながら演奏している姿でしょうか。右下に「Train」のイニシャルがありますが、作者が誰かわかりません。
約10年ぶりのヨーロッパ訪問と書きましたが、ちょうど10年前の48年に、ガーナーは『Early in Paris』というタイトルのSP盤をリリースしています。興味津々ですが、SP盤の再生環境は持っていないので、まずは、第2集を手に入れる方が先ですね。
A1 | The Song From Moulin Rouge (G.Auric) |
|
A2 | I Love Paris (Cole Porter) |
|
A3 | French Doll (Garner) |
|
A4 | Don't Look For Me (Harpsichod) (Garner) |
|
B1 | Louise (L.Robin - R.A.Whiting) |
|
B2 | Farewell To Paris (Garner) |
|
B3 | Left Bank Swing (Garner) |
|
B4 | Cote D'Azur (Harpsichod) (Garner) |