タイトル | ディス・イズ・パット・モラン(this is Pat Moran) |
アーティスト | パット・モラン・トリオ(Pat Moran Trio) |
レーベル/番号 | Audio Fidelity, AFSD 5875 |
パット・モラン(Pat Moran)の脚線美もさることながら、有名になる前の、スコット・ラファロ(Scott Lafaro)のベースが聴けることで注目されているアルバム。
この美脚がパット・モラン本人かどうか定かでないらしいが、『This Is Pat Moran』と題しているのだから、素直に信じてしまいたい。
ラファロが、ビル・エヴァンス(Bill Evans)と共演した2枚のアルバム『Waltz For Debby』『Sunday At The Village Vanguard』に残された伝説のビレッジ・ヴァンガード・ライブは、1961年6月。本盤はさかのぼること3年数カ月の1957年11月録音。
本盤について、私が一番びっくりしたのは、原始的(?)な「擬似ステレオ」であること。左のスピーカーからモランのピアノ、右のスピーカーからラファロのベース、Johnny Whitedのドラムは左右にと、はっきり振り分けられている。左の音量を絞ることができればラファロのベース・ソロのように聴ける。反対に右の音量を絞れば、モランのピアノ・ソロのように聴ける。
面白いことに、見開きジャケットの右面に『WHAT IS STEREOPHONIC SOUND?』というタイトルで、ステレオ録音&再生の仕組みが詳細に説明されている。
この図によれば、バンド演奏の左右前方にマイクを立てて同時に記録する正規のステレオ録音の説明のようだ。
しかし、このレコードから再生される音は明らかに違う、ピアノ、ドラム、ベースを別々に録音し、編集で左右に振り分けたように聞こえる。この図のように正規のステレオ録音のレコードもあるのだろうか?興味は尽きないが、私にとって、ラファロのベースがクローズアップで聴ける貴重なアルバムである。
本盤は、ジャケット、レコード盤ともにピッカピカ超美品。本来なら、今までの最高額8千円でも手に入らないだろうが、友人がコレクションを整理する際に格安で譲ってもらった。持つべきものは友です。