タイトル | デューク・エリントン & ジョン・コルトレーン(Duke Ellington & John Coltrane) |
アーティスト | デューク・エリントン & ジョン・コルトレーン(Duke Ellington & John Coltrane) |
レーベル/番号 | インパルス!(impulse!), AS-30 |
刻印VANGELDER (B面のみ) |
前ページに引き続き『デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン (Duke Ellington & John Coltrane)』を取り上げます。前ページで、外盤を見つけたものの、VANGELDER刻印はB面だけ、両面とも刻印のある盤を探索し続けたいと紹介しました。
そして、盤質納得、「オリジナル」の注釈付きにようやく出会い、喜び勇んで手に入れたのが本盤です。しかし、今回もVANGELDER刻印はB面だけ。本当にオリジナル盤?
ジャケットは見開きで、上が表、中が裏。下にレーベルのAB面を並べてみました。
そして、レコード盤内周の刻印を見ていきます。
「AS 30 A」のレコード番号は、スタンプの刻印です。
そして、筆記体のスタンプの刻印があります。何と読むのか?かすれていてよく判読できません。「Full Sound」でしょうか?前ページで紹介した別の盤を確認したところ、レーベルのデザインは異なりますが、驚いたことにA、B面とも各刻印の位置、かすれ具合が一致。同じメタルマスターからプレスされたものであることが判明しました。
A面で確認できた刻印はこの2つだけでした。
ジャズ仲間の田中氏より、問題の刻印は「Full Sound」でなく「Bell Sound」である情報を得ました。ありがとうございました。
ベル・サウンド(Bell Sound)は、マスタリング(プレスの原盤製作)を請け負う会社で、マスタリングだけでなくレコーディングから携わるアルバムもあります。ヴィージェイ(Vee Jay)レーベルの、ウィントン・ケリー(Wynton Kelly)のLPレコードに「Recorded at Bell sound, New York City」のクレジットと同様の刻印を確認しました。
ビートルズ(The Beatles)の米国録音も手がけていて、特にロックの世界でオリジナル盤を示す刻印として珍重されているようです。
レコード番号は、手書きで「AS-30・B」。
そして、B面だけに「VAN GELDER」と「STERO」の刻印があります。
B面には謎の「M7」の刻印がありました。このアルファベットと数字の刻印について詳しいのは「ロンドン・ジャズ・コレクター(LondonJazzCollector)」のサイトです。「Blue Note vinyl: the 9M etching」と「Plastylite and The Mystery of “9M”」に、ブルーノート(Blue Note)は「9M」、プレスティッジ(Prestige)は「7E」と、レーベル毎に違うとありますが、残念ながらインパルス!(impulse!)には触れていません。しかし、マッコイ・タイナー(McCoy Tyner)の「VAN GELDER刻印」付き『Nights of Ballads & Blues』にも「M7」が確認できたので、インパルス!は「M7」に間違いないと思われます。
ジャケットの録音データを拡大してみました。「Engineer: RUDY VAN GELDER」とあります。録音技師はルディ・ヴァン・ゲルダー。本盤はB面がヴァン・ゲルダー自身によるカッティング。A面は別なエンジニアによるもの。両面ともヴァン・ゲルダーがカッティングした盤というものは存在するのでしょうか?微力ながら探索を続けたいと思います。
A1 | In A Sentimental Mood (Duke Ellington, I. Mills, M. Kurtz) |
4:12 |
A2 | Take The Coltrane (Duke Ellington) |
4:40 |
A3 | Big Nick (John Coltrane) |
4:25 |
A4 | Stevie (Duke Ellington) |
4:20 |
B1 | My Little Brown Book (Billy Strayhorn) |
5:20 |
B2 | Angelica (Duke Ellington) |
5:56 |
B3 | The Feeling Of Jazz (Bobby Troup, Duke Ellington, George Simon) |
5:30 |