ＬＰレコード礼讃 | Never Let Me Go

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Never Let Me Go ～Stanley Turrentine

タイトル	Never Let Me Go（ネバー・レット・ミー・ゴー）
アーティスト	Stanley Turrentine（スタンリー・タレンタイン）
レーベル／番号	BLUE NOTE, BLP 4129（モノラル）

刻印VANGELDER

スタンリー・タレンタイン（Stanley Turrentine）の『ネバー・レット・ミー・ゴー（Never Let Me Go）』を紹介いたします。タイトルの『Never Let Me Go』は、2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの代表作『わたしを離さないで』の原題としてなじんでいる方が多いと思います。本盤のタイトルは、シャーリー・スコット（Shirley Scott）とのオシドリ夫婦共演を象徴したもので、彼女の情感あふれるオルガンが全編を包みます。

ブルーノート盤ということで、例の通りレコード盤内周の刻印からオリジナル度を検証していきたいと思います。

左がA面、右がB面の「VAN GELDER刻印」。モノラル録音なので「STEREO」刻印はありません。

レコード番号は手書き、A面が「BNLP-4129・A」。B面が「BNLP-4129・B」。

レーベルの住所は両面とも「BLUE NOTE RECORDS INC・NEW YORK USA」。深溝（Deep-groove）はなく、「段差（Ridge）」があるのみです。

レコード盤端の写真は掲載していませんが、演奏面より丸く盛り上がる玉縁（ビーズ・リム）。『オリジナル・プレッシング・ガイド』によると、全面同じ厚みの平縁（フラット・リム）は、1957年7月発売の『Lee Morgan,Vol3』（1557）を最後に姿を消しています。

次にジャケットを見ていきます。

ジャケット裏の住所は「BLUE NOTE RECORDS INC., 43 West 61sT St., New York 23」。

ジャケット裏の右下に「Printed in U.S.A」の表記。

ジャケットはかなり傷んでいますが背文字あり、ラミネート加工はありません。

そして興味深いインナースリーブ（内袋）。『オリジナル・プレッシング・ガイド』によると、「27 YEARS BLUE NOTE」が表題のインナースリーブ（内袋）は２種類あり、違いを見分けるキー・ジャケットがあります。それは、写真左、下に住所表記のある側を見て、矢印が示すジャケットです。本盤は、そこが「4202:Getting' Around ～Dexter Gordon」で、1966年9月～67年12月の間に使われたものと特定できるそうです。本アルバムのリリースは63年10月なので、残念ながらセカンド・プレス以降の盤になります。

『オリジナル・プレッシング・ガイド』が定義するオリジナル盤との比較を以下にまとめました。

レコード盤のオリジナル度判定
オリジナル盤		所持盤		判定
略語	説明	略語	説明	判定
VG	Van Gelder刻印	VG	Van Gelder刻印	〇
dg	両面に深溝（Deep-groove）あり	なし	両面とも深溝（Deep-groove）なし	×
P	プラスタイライト（Plastylite）社のシンボルマーク（通称＝耳マーク）あり	no P	プラスタイライト（Plastylite）社のシンボルマーク（通称＝耳マーク）なし	×
NYC	「BLUE NOTE RECORDS INC・NEW YORK USA」	NYC	「BLUE NOTE RECORDS INC・NEW YORK USA」	〇
br	玉縁（beaded rim）	br	玉縁（beaded rim）	〇

ジャケットのオリジナル度判定
オリジナル盤		所持盤		判定
略語	説明	略語	説明	判定
NYC	BLUE NOTE RECORDS INC, 43 West 61sT St., New York 23	NYC	BLUE NOTE RECORDS INC, 43 West 61sT St., New York 23	〇
USA	ジャケット裏に「Printed in USA」	USA	ジャケット裏に「Printed in USA」	〇
ps	背文字あり	ps	背文字あり	〇
lam	ラミネート加工	なし	ラミネート加工ではない	×

インナースリーブの項で紹介していますが、本アルバムのオリジナルは1963年10月リリース。本盤は3年ほど後の再発。VANGELDER刻印から、オリジナルのメタル・マスターから、メタル・マザー、スタンパーが作られ再プレスされたものと考えられます。

『オリジナル・プレッシング・ガイド』によると、『"ラミネート加工されたジャケット"の BLP 4093、4124、4129、及び4130』が稀少盤として紹介されています。もちろん本盤はラミネート加工なしで稀少盤にはあたりません。

リーダー&テナーのスタンリー・タレンタイン、シャーリー・スコットのオルガン、メジャー・ホリー（Major Holley）のベース、アル・ヘアウッド（Al Harewood）のドラム、レイ・バレット（Ray Baretto）のコンガ。タイトル曲『(B2) Never Let Me Go』のみ、ベースがサム・ジョーンズ（Sam Jones）、ドラムがクラレント・ジョンストン（Clarence Johnston）に替り、静かなバラードを奏でます。

シャーリー・スコットの情感あふれるオルガンがアルバム全体を包み込んでいる印象があります。大好きな彼女のリーダー・アルバムも後ほど紹介したいと思っています。

[Tracklist] Never Let Me Go

A1	Trouble (Harold Logan, Lloyd Price)	5:58
A2	God Bless The Child (Arthur Herzog, Billie Holiday)	3:56
A3	Sara's Dance (Tommy Turrentine)	6:14
A4	Without A Song (Edward Eliscu, Billy Rose, Vincent Youmans)	5:28
B1	Major's Minor (Shirley Scott, Stanley Turrentine)	6:21
B2	Never Let Me Go (Joe Scott)	4:55
B3	You'll Never Get Away From Me (Stephen Sondheim, Jule Styne)	6:08

Rudy Van Gelderの部屋

Never Let Me Go ～Stanley Turrentine

[Tracklist] Never Let Me Go

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