ブルーノートには、発売順に「12インチ(30センチ)SP」「10インチ(25センチ)SP」「10インチLP」「12インチLP」の様々なシリーズがありますが、ルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)が主に活躍した、12インチLPの「1500番/4000番シリーズ」を中心にした変遷を以下にまとめます。
ブルーノートの1500/4000番シリーズを中心とした変遷 |
レーベルの住所表記 (※1) |
ジャケット裏の下の住所表記 (※2) |
1939年(昭和14年)1月、ブルーノート誕生 1944年(昭和19年)オフィスをレキシントン街767番地へ 1953年(昭和28年)ルディ・ヴァン・ゲルダーとの初録音 1955年(昭和30年)1500番シリーズ・リリース開始 |
「BLUE NOTE RECORDS, 767 Lexington Ave., NYC.」 ■1501~1543 (片面が63丁目の1544がある) |
「BLUE NOTE RECORDS, 767 Lexington Ave.,New York 21」 |
1957年(昭和32年)オフィスを西63丁目47番地へ |
「BLUE NOTE RECORDS 47 WEST 63rd New York 23」 ■1544~1570、1576、1577 (1577に関して未確認) |
BLUE NOTE RECORDS, 47 West 63rd St.,New York 23」 |
1959年(昭和34年)4000番シリーズ・リリース開始 同年夏、ルディ・ヴァン・ゲルダーは、ハッケンサック(Hackensack)からイングルウッドクリフス(Englewood Cliffs)にスタジオ移転 |
「BLUE NOTE RECORDS INC 47 WEST 63rd NYC」 ■1571~4074、4077 (1576と1577は除く) |
「BLUE NOTE RECORDS INC, 47 West 63rd St.,New York 23」 |
1960年(昭和35年)オフィスを西61丁目43番地へ |
「BLUE NOTE RECORDS INC・NEW YORK USA」 ■4075~4253、4256 (4077は除く。4254は80年代に発表) |
「BLUE NOTE RECORDS INC.,43 West 61rd St.,New York 23」 |
1966年(昭和41年)5月、リバティー(Liberty)へ売却 1966年(昭和41年)12月、東芝音楽工業より直輸入盤の販売開始 |
「BLUE NOTE RECORDS・A DIVISION OF LIVERTY RECORDS,INC.」 ■4255~ (4256は除く) |
※統一されず |
1972年(昭和47年)本拠地をロサンゼルスへ 1976年(昭和51年)1月、日本プレス、正式にスタート 1977年(昭和52年)ユナイテッド・アーティスツ(United Artists)に移る 同年、日本発売権はキングに移る |
「BLUE NOTE RECORDS・A DIVISION OF UNITED ARTISTS RECORDS,INC.」 | ※統一されず |
1983年(昭和58年)以降はキャピトル(Capitol-EMI)の傘下に 同年、日本発売権は東芝EMIに戻り、この年の9月から日本プレスによる1500番シリーズの番号順リリースを開始 |
(※1)レコード番号については、小川隆夫著『ブルーノート・コレクターズ・ガイド』(東京キララ社、2006)から転載させて頂いています。 (※2)「ジャケット裏の下の住所表記」とは、ライナーノーツ(解説)の下の「For Complete Catalog Write to ~」に続く住所のことです。「カタログ請求先」ということでしょうか。オフィス移転の前後で、ジャケット裏とレーベルの住所にズレがあることがあります。「レーベルの住所表記」との基本的な対応表と考えて下さい。 |
仏ヴォーグ(Vogue)を例外として、ブルーノートは長い間、海外での現地プレスを許可しませんでした。日本プレスが正式に認められたのは表にある通り、76年のことです。それに先立って70年~72年にかけて、1500~4000番台のうち特別に許可の下りた16枚の日本プレスが発売されています。このページはRVG刻印盤をテーマにしているので、日本プレスに言及するのはこれくらいにしておきます(ジャズ批評別冊『完全ブルーノート・ブック』に詳しく掲載されています)。
今までは、次ページから『Somethin' Else』直輸入盤の素性を検証していたのですが、『ブルーノート・レコード オリジナル・プレッシング・ガイド』という本に出会い、その情報を抜きにしては検証などできないことを思い知らされました。
さらに長くなりますが、次ページでその本の紹介をさせて下さい。
[参考文献]
・小川隆夫著『ブルーノート・コレクターズ・ガイド』(東京キララ社、2006)
・ジャズ批評別冊『完全ブルーノート・ブック』(ジャズ批評社、1987)