タイトル | Mose Allison 2枚組 |
アーティスト | モーズ・アリソン (Mose Allison) |
レーベル/番号 | プレスティッジ(Prestige), PR 24002 |
刻印VANGELDER |
前回約束した通り、RVG刻印のあるファンタジー(Fantasy)2枚組廉価版を2セット紹介したい。本盤は「The Prestige 24000 Series」として、1972年にリリースされた。
モーズ・アリソン(Mose Allison)の知名度は日本では低いと思うが、知る人ぞ知る大御所。彼のブルース・スピリッツから、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、ヤードバーズなど、多くのブリティッシュ・ロックのミュージシャンに影響を与え続けているという。
1927年(昭和2年)生まれの高齢でありながら、何と2012年に84歳で初来日、ブルーノート東京で公演している。
本盤の内容は、2枚とも落ち着いたピアノ・トリオだが、片面に1曲ずつ彼のファニーボイスが聴ける。唐突にボーカルが流れることに最初は違和感を感じたが、これが彼の世界であることを受け入れると、気持ちよく聴けるようになるから不思議だ。
オリジナル原盤を確かめるため、見開きジャケットにあるデータシートを以下に掲載する。
左下「Remastering: Rudy Van Gelder」の上に記載されている以下の2枚である。
『バック・カントリー組曲(Back Country Suite)』
(Prestige 7091)
『ローカル・カラー(Local Color)』
(Prestige 7121)
オリジナルのタイトル/ジャケットは、強い郷愁を感じさせて、曲想ともよく一致している。
モーズ・アリソンは、2010年に82歳で最新アルバム『The Way of the World』を発表するなど、精力的に活動を続けていて、これまでに40枚近いアルバムをリリースしている。原盤の『Back Country Suite』『Local Color』は、ともに1957年にハッケンサック(Hackensack)のヴァン・ゲルダー・スタジオ(Van Gelder Studio)で録音された記念すべき1st&2ndアルバム。
分かりづらいが、本盤のジャケットの顔写真の左に「Hello David Mose Allison」のサインがある。ファンからサインを頼まれた時に、名前を聞いて書いたものと思われるが、デイビッドとアリソンの2人はどのような関係だったのか、デイビッドがどのような経緯で本盤を手放すことになったのか、想像するのも楽しい。
反対に、レコード盤のレーベルを見ると「6ドル95セント」の値札シールが2枚とも貼ってある。お客がレーベルを見て値段を確認することなどあるのか?いろいろお店の事情はあるのだろうが、いかにも大雑把なお国柄を表しているようでおかしい。本盤はジャケットの状態が悪かったこともあり、6ドル95セントぐらいで購入した記憶がある。もちろん、日本の中古屋で日本円でだが。
ちなみにオリジナル原盤がリリースされた1957年は、私が生まれた年。私にとって調べれば調べるほど愛着が深まっていくアルバムである。