This Is Criss! ~Sonny Criss

タイトル ディス・イズ・クリス (his Is Criss!)
アーティスト ソニー・クリス (Sonny Criss)
レーベル/番号 プレスティッジ(Prestige),PR7511  
This Is Criss!のジャケット表 This Is Criss!のA面のレーベル
刻印VANGELDER This Is Criss!のA面の刻印VANGELDER

ソニー・クリス(Sonny Criss)は、チャーリー・パーカー(Charles Parker)の直系で、パーカーを超えることなく一生を終わったと言われているが、往年のジャズファンならまだしも、私のような新参者には通用しづらい評価である。総じてパーカーの音源は古く、聴いていてつらくなることが多い。LPレコード鑑賞という土俵であれば、ソニー・クリスのアドバンテージは大きい。そもそも、神格化されているチャーリー・パーカーを相手に上下を競っても評価が定まることはないと思う。パーカーを超えたと言われるひとなど一人もいないのだから。


明るい独特の音色から、一聴して彼とわかる世界を造り上げたソニー・クリスを神と崇めるファンも少なからず存在すると思う。



ジャケット裏のプログラム ジャケット裏のプログラムを掲載します。ウォルター・デイヴィス(Walter Davis)のピアノ、ポール・チェンバース(Paul Chambers)のベース、アラン・ドーソン(Alan Dawson)のドラムのカルテット構成。



ペギー・リー(Peggy Lee)のアルバムで紹介した『ブラック・コーヒー(Black Coffee)』のシリアスな曲で始まり、一転して2曲目は軽快な『酒とバラの日々(Days of Wine and Roses)』、そして『ホエン・サニー・ゲッツ・ブルー(When Sunny Gets Blue)』のバラードでA面を締めくくる。傾向の違う曲を並べると通常は散漫になるが、本盤のつながりは見事。


ソニー・クリスはもちろん、ウォルター・デイヴィスのブルース・フィーリングあふれるピアノが素晴らしい。ベースとドラムは丁寧にリズムを刻むことに専念して、サックスとピアノの2人を自由に遊ばせている印象がある。ポール・チェンバースの堅実なウォーキング・ベースがかなり効いていると思う。A面3曲目『ホエン・サニー・ゲッツ・ブルー』でベース・ソロのパートもあるのだが、そこでも控えめで出しゃばらない演奏。ブルースを基調にした曲ではウォーキング・ベースが良く似合うと思う。


本盤は、私の所持している彼のアルバムの中で唯一のRVG刻印盤。私にとって安くない2千円台後半で手に入れたが、相場からはかなり格安なこともあり、盤質イマイチでパチパチノイズが多い。しかし、内容は最高で、ソニー・クリスに開眼したアルバム。買って良かったと心底思う。




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