タイトル | アストラッド・ジルベルト・アルバム(The Astrud Gilberto Album) |
アーティスト | アストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto) |
レーベル/番号 | ヴァーヴ(Verve), V6-8608 (直輸入盤) |
刻印VANGELDER |
1965年リリースのアストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)のファースト・アルバム『The Astrud Gilberto Album』を紹介いたします。
彼女のレコード初登場は、前年64年の『ゲッツ/ジルベルト(Gets/Gilberto)』。『イパネマの娘(The Girl from Ipanema)』『コルコバード(Corcovado)』の2曲で夫のジョアン・ジルベルト(Joao Gilberto)と、デュオでなくボーカルを分け合う形で彼女の声が収録されています。『イパネマの娘』の歌い出しはジョアン、アストラッドが後を引き継ぎます。『コルコバード』はその逆で、歌い出しがアストラッド、ジョアンが締める構成。
『イパネマの娘』のシングル・バージョンは、プロデューサーのクリード・テイラー(Creed Taylor)の判断で、ジョアンのボーカルはカット、アストラッドのソロでリリース、それが効を奏したのか大ヒット。有名な逸話として伝わっています。
そして、彼女のLPレコード登場2枚目は、以前紹介した、同64年リリースの『ゲッツ・オー・ゴー・ゴー(Getz Au Go Go)』。ニューヨークのナイトクラブ『Caf'e Au Go Go』で、新生スタン・ゲッツ・カルテット(Stan Getz Quartet)のお披露目にゲストとして招かれ魅惑的なボーカルを披露しています。
3枚目となる本盤で初めてアストラッド・ジルベルト名義でのリリース。いずれのアルバムもクリード・テイラー・プロデュース。周到で巧みな仕掛けに思えてなりません。
左がA面、右がB面の「VAN GELDER刻印」です。
ジャケットのプログラムと録音データを拡大してみました。レコーディング・エンジニアは、デイヴ・ハッシンガー(Dave Hassinger)。レコード・マスタリング(Record mastered)が、ルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)。
クリード・テイラーがプロデュースする、ヴァーヴ(Verve)、CTI、A&Mのアルバムには、他のエンジニアが録音したマスター・テープから、ルディ・ヴァン・ゲルダーがカッティング以降を手掛けるというLPレコードが数多く存在します。
本盤を直輸入盤として紹介しています。その根拠は、ジャケットの中に日本語のライナーノーツが挟まれていたことによります。既に日本語の帯が失われていたため100%の確信は持てないでいます。輸入盤のジャケットに誤って日本盤のライナーノーツを入れてしまったという可能性も否定できないからです。しかし、このライナーノーツによると、日本では『ボサ・ノヴァの女王』というアルバムタイトルでリリースされたことが分かります。
上のレーベルの写真でA、B面の曲目を確認するとよくわかりますが、『(A-1) Once I Loved』『(A-3) Meditation』『(A-4) And Roses And Roses』『(A-6) How Insensitive』『(B-1) Dindi』『(B-3) Dreamer』『(B-5) All That's Left Is To Say』の7曲は英語の歌詞。『(A-2) Agua De Beber』『(A-5) O Morro (Nao Tem Vez)』『(B-2) Photograph』『(B-4) So Finha De Ser Com Voce』の4曲は、彼女の母国ブラジルのポルトガル語で歌う変則な構成ですが、彼女の声の魅力で何の違和感なく心地よく聴き流せてしまいます。
A1 | Once I Loved | 2:10 |
A2 | Agua De Beber | 2:16 |
A3 | Meditation | 2:39 |
A4 | And Roses And Roses | 2:30 |
A5 | O Morro (Nao Tem Vez) | 2:55 |
A6 | How Insensitive | 2:45 |
B1 | Dindi | 2:40 |
B2 | Photograph | 2:10 |
B3 | Dreamer | 2:00 |
B4 | So Finha De Ser Com Voce | 2:15 |
B5 | All That's Left Is To Say | 3:09 |