タイトル | シャドウ・オブ・ユア・スマイル(The Shadow of Your Smile) |
アーティスト | アストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto) |
レーベル/番号 | ヴァーヴ(Verve), V6-8629 |
刻印VANGELDER |
1965年リリースのアストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)のセカンド・アルバム『シャドウ・オブ・ユア・スマイル(The Shadow of Your Smile)』を紹介いたします。
前回紹介したファースト・アルバム『The Astrud Gilberto Album』と同年リリースで、当時の人気の高さがうかがえます。
前年64年リリースの『ゲッツ・オー・ゴー・ゴー(Getz Au Go Go)』を彼女のファースト。本盤をサードと伝える情報もあります。『ゲッツ・オー・ゴー・ゴー(Getz Au Go Go)』のクレジットは「The New Stan Getz Quartet Featuring Astrud Gilberto」。正確なアストラッド・ジルベルト名義としてはセカンドにあたると考えますが、別にこだわる必要はないですね、どれを聴いても彼女の素晴らしい歌声を堪能できます。
左がA面、右がB面の「VAN GELDER刻印」です。
ジャケットのプログラムと録音データの拡大です。前所有者の書き込みがあります。レコーディング・エンジニアとして、ボブ・シンプソン(Bob Simpson)、『ゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto)』を手掛けたフィル・ラモーン(Phil Ramone)の名前があります。ルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)のクレジットはどこにも見当たりませんが、刻印VANGELDERがあることで、カッティング、ラッカーマスター製作をヴァン・ゲルダーが手掛けたことは間違いありません。クリード・テイラー(Creed Taylor)がプロデュースするアルバムで、このケースを実に多く見かけます。
本盤に強く感じるのはヴァーヴ(Verve)の凄味、音の良さです。『ゲッツ・オー・ゴー・ゴー(Getz Au Go Go)』でも高音質に触れましたが、『ゲッツ・オー・ゴー・ゴー』がライブなのに対し、こちらはスタジオ録音。吸い込まれそうな透明感のなかに血が通っている音と言ったらいいのでしょうか、オーディオ的には本盤に軍配が上るかも知れません。
もう一つ強く感じる印象は、アストラッドの優雅でリラックスした歌唱です。表題の『(A1) The Shadow of Your Smile』は、映画『いそしぎ』のテーマ曲。アカデミー賞の歌曲賞に輝いた名曲で、映画の公開も65年。まさに新曲を歌っているのです。映画『黒いオルフェ』の主題歌『(A3) カーニバルの朝(Manha De Carnaval)』、『(A4) フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン(Fly Me to the Moon)』『(A5) やさしい雨(The Gentle Rain)』・・・スタンダードの名曲に包まれ快い時間が過ぎていきます。名盤です。
A1 | Love Theme From "The Sandpiper" (The Shadow Of Your Smile) |
2:30 |
A2 | (Take Me To) Aruanda | 2:25 |
A3 | Manha De Carnaval | 1:55 |
A4 | Fly Me To The Moon | 2:15 |
A5 | The Gentle Rain | 2:20 |
A6 | Non-Stop To Brazil | 2:30 |
B1 | O Ganso | 2:04 |
B2 | Who Can I Turn To | 2:07 |
B3 | Day By Day | 2:05 |
B4 | Tristeza | 2:20 |
B5 | Funny World (Theme From "Malamondo") |
2:25 |